特務機関本部・司令室にて……
ロイとセリーナが黙って報告を聞き続けていた。
レオン「……以上が、事の次第です。3級守護天使・犬のテレーズの捕獲・送還に成功、
既にサキから魔封瓶を受け取っているはずです」
セリーナがうなずくのを確認して、レオンは言葉を続ける。
レオン「あと、魔獣レベル7の呪詛悪魔・鳩のハリーの消去に成功。……以上、任務完了」
ロイが口を開く。
ロイ「ずいぶんと手際が悪いな」
レオン「仕方ありません。現在、サキの状態が如何ほどの物か、ご存知でしょう?
結果はとして職務に忠実なだけの人間に犠牲者……いや我々が殺した人間は
今回は出ませんでした。それについて慶賀すべき事態だとは思いませんか?
それに……サキは7級神ですが、それは昇級試験を受けていないだけであって……
実際に戦闘能力のみで言えば4級神か3級神に相当します。
そんな貴重な戦力と3級守護天使とでは、全く割に合う収支ではありません。
いかがでしょうか?」
暗に上層部の責任を追及するかのようなレオンの発言に、ロイは腕を組んで黙り込み、セリーナは心配そうな表情で両者を見比べる。
ロイ「今回の報告書は1週間以内に提出するように。以上だ」