そのころ、青年のアパートでは数人の少女が、占いをしていた少女を囲んでいた。
あかね「むう・・・不吉だね・・・」
らん「あかねちゃん?どうしたの?」
何時にも増して、深刻な表情を浮かべるあかね。
その様子にらんが声をかける。
あかね「ご主人様の事を占っていたんだ・・・そうしたら・・・」
みどり「そうしたら、どうだったのれすか?」
あかね「不慮の事故・強力な敵対者・救いは死神・自己犠牲・・・と出たんだ。
何か、ご主人様に良くない事が起きるんじゃないかな・・・」
みか「な〜に深刻になってるのよ!考えすぎじゃないの?」
あゆみ「本当にそうだとよろしいのですが・・・」
みどり「そうれす!みか姉さんは楽天的すぎるれす!」
その場の空気を理解できていないかのようなみかの言葉に、あゆみとみどりが反発する。
みか「な、なによ、無闇に深刻になったってロクな事には・・・」
うろたえながら反論しようとするみかに助け舟を出したのは、意外にもあかねであった。
やや苦笑気味にではあったが・・・
あかね「そうだね。できれば当って欲しくはないね」
丁度その時、買い物に行っていた、ゆき・るる・ももが帰って来た。
もも・るる「「ただいま〜」だおぅ!」
ゆき「だだいま戻りました・・・あら?何をしているのですか?」
たまみ「実はですね・・・・・・」
事情を説明するたまみ。
ゆき「そうですか・・・あかねさんの占いで・・・」
じっと何か考え込む。だがそれは突然知らされた、というより
あらかじめ予測されていた通りになった・・・という様子であった。
たまみ「??・・・どうしました?ゆきお姉ちゃん?」
ゆきが口を開きかけたその時、
つばさ・なな「「ただいま〜」」
ななとの散歩に行っていた青年・つばさが帰宅する。
青年「みんな、ただいま」
全員(つばさ・なな・ゆき除く)『おかえりなさい!ご主人様!!』
ゆき「お帰りなさいませ。ところで何か変わった事はありませんでしたか?」
つばさ「それが大変だったんだよ!実は・・・・・・」
つばさの説明を聞いているうちに全員が血の気が引いていくのを感じていた。
らん「一体何故・・・こんな事に・・・」
部屋に重苦しい空気が流れる・・・。
しばらく考えて込んでいたゆきであったが、意を決したかの様に全員に告げる。
ゆき「皆さんには、事がはっきりするまで言いませんでしたが、
どうやらご主人様は何者かに狙われているようなのです」
全員は驚いたようにゆきを見つめる。
ゆき「少し前に、メガミ様からの伝言があったのです。
ご主人様を狙う者がいるのでガーディアンを派遣する・・・との事でした。
その時は半信半疑で聞いていたのですが、どうやらその通りになってしまったようですね」
るる「がーでぃあん・・・て、なんらぉ?」
あゆみ「ご主人様やわたくし達を護ってくださる方ですわ」
ゆき「今日あたりに着任の予定ですが・・・」
ゆきがそう言った刹那、突如タリスマンがまばゆく光輝く。
全員『タリスマンが!』
激しい光の渦の奔流から、二つの人影が形作られていく。
そして光の渦が収まった時、男女の2人組の守護天使が出現していた。
2人は油断無く背中を向け合い、全く隙が無い戦士のみが持つ独特の雰囲気を身に纏い、佇んでいた。
その片割れの女性を見た一部の守護天使が驚愕する。
らん・つばさ・くるみ『教官!!(なの〜)・・・』
教官と呼ばれた女性は、ゆっくりと口を開く。
サキ「・・・はじめまして・・・と言うべきかしら・・・?
・・・私の名はサキ・・・前世は白鷺・・・あなた達を護る護衛者(ガーディアン)・・・
・・・何人かは・・・顔見知りがいるみたいだけど・・・」