死の先に在るモノ

第3話「追跡者」(チェイサー)

ナミ「ガアアアアアアアアアア!!」

ナミの手が、猛禽の鉤爪のように変化しサキを襲う。
サキはその手首を掴んで、腹を蹴り飛ばす。
ナミは壁に叩き付けられ、苦しげにうめく。

サキ「・・・手遅れだったようね・・・」

サキの口調から感情を読み取ることは困難であったが、そこには明らかに落胆の色が
混じっていた。
 
サキ「・・・一時の激情に身を任せ・・・全てを失うか・・・・・・救われないわね・・・」
レオン「こうなってしまっては・・・」

と言いながら、レオンは瓶のようなものを、懐から取り出す。

サキ「・・・こうするしかないわね・・・」

壁際で苦しげにうめくナミ・・・サキの剣がナミの左胸を貫く・・・

ナミ「グゴオォォォォォォ!!」
 
断末魔の悲鳴を上げるナミ・・・次第に光の粒となっていく・・・
サキとレオンの口から”力ある言葉”が紡ぎ出される。

サキ「・・・ナミの魂よ・・・来れ・・・」

レオン「・・・さ迷える魂よ・・・此へ・・・」

サキ・レオン「「邪気昇天・魔封瓶」」

光の粒となったナミの魂は、瓶の中に吸い込まれていった。


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