小男「誰です?!」
レオン「手前らに名乗る名は持ち合わせていないぜ!」
少女「くっ、邪魔されてたまるか!」
少女は身を翻すと、一気に隣のビルに飛び移る。
そしてすぐ、その隣のビルへと飛び移っていく。
レオン「待ちやがれ!」
追いかけようとしたレオンの前に小男が立ち塞がる。手にはナイフが握られている。
小男「ヒッ、ヒッ、ヒッ、お前のお相手は、このワタシですよぉ」
レオン「チッ!呪詛悪魔どもめ!」
レオンは懐からコンバットナイフを取り出し、構える。
サキも大男と対峙している。
大男の手には巨大な戦斧が握られ、
対するサキはバスタードソードと呼ばれる大剣を両手で構えた。
大男「ふははは、どうした、かかってこないのか!?臆したか!」
サキ「・・・・・・」
大男「ならばこちらから行くぞ!覚悟しろ!!」
一方、レオンと小男は互いにナイフ使い同士での戦いになっていた。
レオンは小男の突きをナイフの腹で受け流し、薙ぎ払う。が、小男は頭を僅かに反らしてそれをかわす。
同時にに飛んできた小男の蹴りを左腕でガードする。
レオンがナイフを振るうが、小男もナイフで受け止める。
互いに、弾かれたように飛び退き、間合いを取る。
小男「ヒッ、ヒッ、ヒッ、その程度の実力で、よく追跡者が務まりますねぇ?」
レオン「その下卑た笑い・・・やめてもらおうか!」
サキは防戦一方になっていた。
だが見るべき者が見たら、サキの動きに無駄が多過ぎる事に気付いただろう。
戦斧がうなりをあげて振り下ろされ、あるいは薙ぎ払われる。
するとサキは常に後ろに飛んでかわす。
そして、必要以上に間合いを取ろうとする・・・
何度か同じ光景が繰り替えされる。そしてサキはビルの端まで追い詰められていた。
大男「がはははっ、もう後が無いぞ!口ほどにもない」
大男の余裕の声に小男の注意が一瞬、レオンからそれた。しかし彼らは知らなかった。
この二人の前で隙を見せれば・・・待つのは「死」のみであったことを・・・
レオンが持っていたナイフを投げる。一瞬の隙を突かれ、対応がほんの少しだけ、遅れた。
飛んできたナイフを払い落とした時・・・小男は背後から左胸を貫かれていた。
レオンはナイフを投げると同時にテレポートして、小男の背後に出現、
新しいナイフを取り出し、小男の左胸を貫いたのである。
文章にすると長いが、実際にはナイフを投げてから0.1秒もかかっていない。
小男「ぐ・・・こ、こんな・・・手に・・・」
一度ナイフを抜き、再び心臓の部分にナイフを突き立てる。
小男「お、お、の、RE...E...e......」
自分の迂闊さと守護天使、そして人間を呪いながら、光の粒となって消えていった。
レオン「アバヨ・・・魂の迷い児・・・」
大男「な、なにい?!」
レオン「次はお前の番だぜ・・・」
大男「く、くそう・・・これでも食らえ!!」
大男は煙玉を投げつけた。もうもうと煙幕が立ち込める。
その隙に隣のビルからビル伝いに逃走する。鈍重そうな巨体に似合わず、なかなかの
素早さであった。