光彦の心配はあたった。案の定、ひとみは変な男に絡まれていたのである。
男「ねえねえ、俺と泳がない?」
ひとみ「やめて下さい!」
その現場に、光彦は割って入った。
光彦「こいつに手ェ出すな!」
男「なんだと、文句あんのかよ?」
光彦「あ、あるさ。」
売り言葉に買い言葉でこういうことになってしまったが、それは光彦にはあまりに無謀なことであった。
何しろ、男は光彦より十センチは大きそうなマッチョマンで、喧嘩やりなれてます、という雰囲気が全身からみなぎっていた。まともにやったら光彦に勝ち目はないだろう。
男「そうかい、じゃあ文句言えないようにしてやるぜ!」
こうして、男と光彦の一方的な喧嘩が始まった。
光彦は、「守る!」という使命感で奇跡的な粘りを見せた。しかし、実力差は埋め難く、四分ほどして、ついに
光彦「も…もうダメ…。」
と倒れこんでしまった。
ひとみ「ご主人様、しっかり、ご主人様!」
男「ふん、弱いくせに手こずらせよって。」
その時、ひとみが怒りの炎をみなぎらせて男と対峙した。
ひとみ「よくもご主人様を…。」
男「ご主人様? お前はあいつの奴隷か?」
ひとみ「あたしはご主人様をお守りする守護天使です。ご主人様を傷つけたあなたは
絶対許しません!」
男「おもしろい。やってもらおうじゃん。」
こう言うと、男はひとみに猛然ととびかかった。