夢追い虫カルテットシリーズ

VOL.37「メイドファイターまゆりの危機」

カルテットの4人が戦闘用メイド服への変身を会得して、しばらくの間、カルテットには、幸か不幸かその能力を使う機会はなかった。

(何かつまらない…。)

不謹慎かもしれないが、4人はそのようなことを考えていた。しかし、考えてみれば、変身をしたのは光彦に披露した時の一度だけなのだ。それは生活が平和である証なのだが、やはりせっかく手に入れた能力、使わないのは少し惜しい。
そんなある日、カルテットの4人は散歩に出た。
はじめのうちは、4人そろって行動していたが、やがて、まゆりがこんなことを言い出した。

まゆり「あの木陰のベンチで少し一人になりたいのですが…。」

カルテットの残りの3人はまゆりのそのような発言を不思議がった。しかし、

(まゆりさん(ちゃん)も一人になりたい時くらいありますね…。)

と思い、まゆりの単独行動を承諾した。
だが、それが後にまゆりにとっての大ピンチにつながろうとは、この時誰も考えていないのであった。

さて、一人になったまゆりは、木の下のベンチに腰を下ろした。

まゆり「やはり緑は落ち着きますわ…。」

まゆりの心はどんどん穏やかになり、癒されていった。しかし、その癒しの時間をぶち壊すものは静かに、しかし確実にやってきていた。

ムニュッ!
突然ベンチの後ろから何やら怪しい手が伸び、その手がまゆりの胸を揉みまくった。

まゆり「きゃっ!」


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