光彦は、珍しく風邪を引いていた。
光彦「うーん…。僕としたことが…。あー気持ち悪い…。」
布団の中でうなることしかできない状況で、光彦の健康状態はかなり悪化していた。
そんな光彦の様子を見て、カルテットの4人は「何とかせねば」と思った。そこで、4人で今後のことを話し合った。
まゆり「何とかご主人様を治してさし上げなければ…。」
ひとみ「どうしましょうか…。」
4人は、おかゆを作ったり、頭の濡れタオルを変えるといった基本的な対策は考えていた。しかし、それ以上の、何と言うか「決め手」といえる手が考えられなかったのである。
みゆう「どうしよう…あ!」
不意にみゆうが何かを思いついたように声を上げた。
ひとみ「何ですか?」
みゆう「これはひとみちゃんから聞いた話なんだけど…。」
みゆうは、他の3人を近くに集めて小さな声で思いついたことを話した。
ひとみ「それいいですね!」
まゆり「素晴らしいですわ!」
みゆう「でしょ?」
あすか「で…誰が…それを…やるの…ですか…?」
あすかが質問を発すると、4人全員が手を上げた。
ひとみ「あたしですよ!」
みゆう「あたしだってば!」
あすか「わたし…です…。」
まゆり「わたくしですわ!」
4人の間に一触即発とも言える空気が流れた。
しかし、今は光彦が病気という非常事態、すぐに仲直りし、結局ジャンケンで役割を決めることとなった。
その結果…
まゆり「やりましたわ!」
あすか「まあ…良いですね…。」
みゆう「こんなもんかな。」
ひとみ「ちょっと悔しい…。」
このようになったのであった。
光彦「ああ…苦しい…。」
苦しんでいる光彦であったが、不意に幸運はやってきた。
みゆう「ご主人様。」
光彦「みゆう…。」
みゆう「あたしおかゆ作ったの。食べて。ちゃんと食べないと体によくないよ。」
光彦「あ…ありがとう…。」
こうして、光彦は、みゆうの手作りおかゆを食べることとなった。
みゆう「ハイご主人様、あーんして。」
光彦「どうも…。」
みゆう「どう、おいしい?」
光彦「おいしい…。」
光彦はぼんやりしながらも、みゆうの手でおかゆを食べさせてもらえることにうれしさを感じていた。そして…
光彦「ごちそうさま…。」
光彦は完食した。
みゆう「ありがとうー!全部食べてくれて。」
光彦「うん、おいしかったからね…。」
みゆう「早くよくなってね。」
光彦「ありがとう…。いいおかゆだったよ…。」
こうしてみゆうは去って行った。
幸せ気分に浸る光彦であったが、幸せは不幸と共にもう一回やってくるのであった。
ひとみ「ご主人様。」
光彦「ひとみ…ってその格好は…?」
次にやってきたのはひとみであったが、何と彼女はミニスカートのナース服を着ていたのである!
ひとみ「実は…あたしさっきジャンケンに全部負けちゃって…だからこうして薬をご主人様に飲ませる役になってしまったんです。それが悔しかったから…せめてご主人様を楽しませてあげようと思って、こうして看護婦さんの格好をしたんです。」
光彦「なるほど…。」
ひとみ「というわけで薬です。さあ、飲んでください。」
ひとみは光彦に薬を渡した。
ひとみ「苦いですけど、我慢してくださいね。」
光彦「うん…。」
そして光彦は薬を飲んだ。
ひとみ「はい、飲みましたね。それでは、しっかり治して下さいね。」
光彦「ありがとう…。可愛かった…。」
ひとみによる看護はこうして終わった。
薬を飲んだ光彦は、そのせいで眠くなった。そして、光彦は眠りに落ちた。