まゆり「大丈夫ですか、ご主人様?」
光彦「あ、ああ…。君たち、強いねえ。」
ひとみ「ご主人様のためでしたら、こんなこと何でもありません。」
光彦「ありがとう。」
光彦とカルテットの4人はほのぼのしていた。しかしその時、
店長「ん…ごほん。」
店長が4人に咳払いをしてきた。見ると、逃げてしまったのか、店内には誰もいないのであった。
店長「君たち、ちょっと…。」
4人は呼び出しを食らった。
それからしばらくして、街をトボトボと歩く光彦とカルテットの姿があった。
光彦「ごめんね、何か僕のせいで首になっちゃったみたいで。」
カルテットの4人は店内で暴力沙汰を起こしたことが嫌われ、「やすらぎ」を首になったのであった。
あすか「そんなこと…ありません…。」
ひとみ「あたしたちもちょっと暴れすぎてしまいましたし。」
みゆう「ご主人様のためだったらあたしたち何でもやるから、気にしないで。」
まゆり「幸いお金は一日あたりでもらえていましたし。」
とここで、光彦は核心を突いた。
光彦「ところで、何で君たちはアルバイトなんてしていたの?」
まゆり「それは…内緒ですわ。」
みゆう「ねー。」
光彦「?」
4人にごまかされ、光彦の頭の中は「?」で一杯になったのであった。
それから数日後。
光彦が帰ってくると、カルテットの4人はいつもにも増して輝いた笑顔で光彦を出迎えた。
光彦「あ、あれ、どうしたの?」
まゆり&あすか&みゆう&ひとみ「ご主人様、お誕生日おめでとうございます!」
光彦「え、誕生日?」
カルテットとの生活の中で自分の誕生日を忘れかけていた光彦は、突然のことに面食らった。
(誕生日か…。以前は一週間くらい前からウキウキして待っていたのに…。すっかり忘れていたよ。)
面食らいつつも、光彦はうれしかった。
まず光彦は、カルテットの4人の半手作り(スポンジのみ市販品)ケーキのろうそくを消した。このような行為は何年ぶりくらいだろうか。
続いて、カルテットの手作りパーティー料理や先程のケーキを食べた。
まゆり「お味はどうですか?」
光彦「うん、とてもおいしいよ。」
みゆう「良かった…。」
そしてひとしきり料理を味わった後、プレゼントが渡される時がやってきた。
ひとみ「ご主人様、これはあたしたちからのプレゼントです。」
あすか「受け取って…下さい…。」
光彦「え?何?」
光彦が開けてみると、そこには4種類の宝石があしらわれた指輪が入っていた。
光彦「これは…指輪?」
みゆう「そうだよ。」
まゆり「宝石が4種類なのがわたくしたちの気持ちですわ。」
ひとみ「これをあたしたちだと思って、大切にして下さい。」
光彦「ありがとう。でも…高かったろ?」
あすか「そうでも…ありません…でした…。」
ひとみ「そうです。それに、アルバイト代で買ったから、家計には響いていませんよ。」
その言葉で、光彦は全てを悟った。光彦の目から止めどなく涙がこぼれてきた。
まゆり「ご主人様、どうしましたか?」
みゆう「指輪、気に入らなかったの?」
光彦「違うよ…。僕のために…そこまでしてくれるなんて…僕は世界一の幸せ者だ…。」
光彦は涙声で感謝の言葉を述べた。
まゆり&あすか&みゆう&ひとみ「ご主人様…。」
光彦「今日のことは絶対忘れない。何があっても忘れないよ。」
5人で過ごすことの幸せを感じる光彦とカルテットであった。
それからしばらくして。
光彦「ところで、何で僕の誕生日知っていたわけ?」
ひとみ「あ、それはご主人様のお兄さんに教えてもらったんです。」
光彦「そうか…。」
カルテットのことを認めてくれた兄の優しさを感じ、改めて感謝の念で心が一杯になる光彦であった。
おわり
誕生日ネタは意外と少ないのではないでしょうか?
それから、カルテットのウェイトレス姿を出せて良かったです。