夢追い虫カルテットシリーズ

VOL.25「すてきな日が やってきたよ」

と言うわけで、4人のウェイトレスのアルバイトが始まった。
喫茶店「やすらぎ」の4人の新人ウェイトレスはたちまち評判になった。何しろ彼女たちは守護天使、持って生まれたルックスに加えて献身的な態度には光るものがある。
「やすらぎ」にはカルテット目当ての客が増え、わざわざ遠方からやってくる客までも現れた。おかげで、「やすらぎ」の売上げは飛躍的な上昇を遂げた。

店長「いやー、君たちのおかげで大盛況だよ。バイト代はうんとはずむからね。」
まゆり&あすか&みゆう&ひとみ「あ、ありがとうございます!」

(これでご主人様の誕生日を思いっきりお祝いすることができる…。)

カルテットの4人は燃えた。
しかし、ウェイトレスの仕事をしていると、いつもより体力を使うことになる。と言うわけで、家では4人とも抜け殻のようになってしまうのであった。
そんな4人の様子が光彦は心配であった。どうしたのかとたずねてみても4人はただ言葉を濁すだけであるので、なおさら心配になってしまう。
思いあまった光彦は、仕事を一日休んでカルテットの様子を探ることにした。
マスクをした上に帽子を目深にかぶる、という見るからに怪しいいでたちで光彦はカルテットを尾行した。すると、4人はある喫茶店に入っていった。

(喫茶「やすらぎ」…?)

光彦は、何となくその後の展開を予想しつつ「やすらぎ」に入った。
すると、案の定4人がウェイトレスをしているのであった。

(どういう風の吹き回しだ…?)

疑問に思いつつ光彦は店内の会話に耳を傾けた。

客1「今度入った、ていう4人のウェイトレス、可愛いよなー。」
客2「俺、ここで小遣い全部遣っちまいそうだぜ!」

といったカルテットに対する良い評判が大勢を占めていた。

(これなら大丈夫だろ…。)

安心した光彦はそのまま帰ろうとした。
しかし、事態はここから思わぬ方向に進み始めた。


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