夢追い虫カルテットシリーズ

VOL.25「すてきな日が やってきたよ」

ある日、日高家に光彦の兄である教一から電話がかかってきた。
光彦はいなかったが、カルテットの4人とはそれなりに面識がある教一は少しカルテットと話をした。
そして、話の終盤(話し相手はひとみ)に教一は興味深いことを話した。

教一「そういえば、光彦の誕生日が近いんだっけ。」
ひとみ「本当ですか?」
教一「ああ。確か次の次の金曜だから…今から10日くらい後かな。」
ひとみ「なるほど。」
教一「君たちが祝ったら、きっとあいつ喜ぶよ。」
ひとみ「そうですね。」
教一「うん。じゃあ今日はこの辺で切るよ。じゃあ。」
ひとみ「ありがとうございました。さようなら。」

話の後、ひとみは残りの3人に光彦の誕生日が迫っていることを伝えた。

まゆり「ご主人様の誕生日、ですか?」
みゆう「お祝いしよう!」
あすか「わたしも…そう思います…。」
ひとみ「そうですよね。でもお金はどうしましょうか?」

そうなのである。あまりに急なことだったので、今の日高家には光彦の誕生祝いに回せるお金がないのであった。

あすか「お金が…ないなら…働き…ましょう…。」
ひとみ「やはりそうでしょうね。」
みゆう「早速外へ仕事探しに行ってみようよ!」
まゆり「そうですわね。」

というわけで、カルテットの4人は仕事探しのために街へと出たのであった。
しばらく街を歩いていると、今のカルテットにふさわしそうな条件を示した張り紙を見つけた。

「喫茶『やすらぎ』ウェイトレス若干名募集。学生歓迎。」

4人は、「これだ!」と思い、早速採用を掛け合ってみた。

店長「ここで働きたいの?」
ひとみ「はい。」
まゆり「できれば全員採用していただきたいのですが…。」
あすか「お金が…いるのです…。」
みゆう「お願いします!」

店長の決断は早かった。

店長「君たちみたいな可愛い娘が来てくれるとは…願ってもないことだよ。早速明日からここで
    働いてくれ。」
ひとみ「明日からと言わず、今日から働きます!」
店長「そうか。実に頼もしいよ。」


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