光彦「ああ、街でそんなことが。それは本当かい?」
ひとみ「確かにその通りでした。」
みゆう「あのときあたしたちはお腹がすいていたの。だから…。」
あすか「つい…不満を…露に…してしまったのです。」
ひとみ「ご主人様お願いです。まゆりさんを許してあげて下さい。」
みゆう「悪いのはあたしたちなんです。」
あすか「罰は…受けます…。」
光彦「許すことなんてあるのかい?なにも悪いことはしていないのに。」
まゆり「え?」
光彦の意外な一言に、カルテットの四人は驚いた。
ひとみ「どういうことですか?」
光彦「確かにナンパという方法はほめられたものではないよ。でもまゆりはみんなのことを思って
そうしたんだろ?それに…。」
みゆう「それに?」
光彦「一つ聞いておきたいんだけど、まゆりはその時浮気したかったのかい?」
まゆり「いいえ!わたくしはいつでもご主人様一筋ですわ!」
光彦「それだけでも僕にとってはうれしいことなんだ。だからもうこのことで苦しむのはやめて欲しい。
このままじゃまゆりがどんどんまゆりじゃなくなるような気がするんだ。」
まゆり「ご、ご主人様…。わたくしは…うっ…うええっ…。」
光彦の優しい言葉がまゆりの心に染み渡った。そしてまゆりは光彦の胸に顔をうずめて泣いた。
その後。
光彦「落ちついた?」
まゆり「は、はい…。ありがとうございます…。」
光彦「それにしても許せないのがハエ男だな。どうにか制裁を加える方法はないのか?」
光彦は静かに怒っていた。
それを見ていたひとみが、何かを思い出したように切り出した。
ひとみ「確か、D.F.に入隊したという友達がいましたよね?」
みゆう「ああ、あの子たち。」
ひとみ「その方々の力を借りましょう。」
あすか「では…早速…連絡を…。」
やがて、連絡が取れたらしく、三人のやたらコスチュームが派手な少女が家にやってきた。
光彦「この子たちは誰だい?」
ひとみ「D.F.に入隊した友達です。」
あや「初めまして。D.F.隊員、アリジゴクのあやです。」
ともみ「同じくカマキリのともみ。」
かつみ「アリのかつみ。よろしく!」
光彦「あ、どうも。日高光彦です。」
三人は自己紹介もそこそこに、早速今後について話し始めた。
光彦「ではどうしましょうか?」
あや「まあまずは向こうが動くのを…。」
とその時、ドアの方で何か物音がした。
見ると、ドアの郵便受けにあの灰色の封筒が入っていた。
まゆり「あいつからの手紙ですわ!」
ともみ「どうやらチャンスは向こうからやってきたようですね。」
かつみ「で中身は?」
あや「えーと、『公園に来い』…。」
中身を確認したあやは、ニヤリと笑った。
あや「野外のほうが作戦を立てやすいな。えっとそれには…。」
みゆう「それには?」
あや「あなた方五人の力が必要なのですが、よろしいですか?」
このあやの言葉に、光彦たちは燃えた。
光彦「もちろん!」
ひとみ「喜んで!」
みゆう「がんばる!」
あすか「行きましょう。」
まゆり「見ていなさい。ギャフンと言わせてあげますわ!」