ある日、カルテットの4人と光彦がまったりと過ごしていると、不意にチャイムが鳴った。
ひとみ「あ、あたしが出ます。はーい。」
ひとみが応対すると、そこにはなつかしい顔があった。
なのは「ああ、ひとみさん。元気にしていましたか?」
ひとみ「あ、先生!お久しぶりです。」
それは、カルテットの4人の恩師、なのはであった。
なのは「ごめんねー、いきなり来ちゃって。」
ひとみ「い、いえ、そんな…。」
なのは「ではお邪魔します。」
そう言ってなのはは家に上がり込んだ。
カルテットの4人は、突然の恩師の訪問に喜んだ。
みゆう「先生久しぶりー!」
あすか「会えて…うれしいです…。」
まゆり「お元気そうでなによりです。」
なのは「皆さんも元気そうですね。」
このように再会を喜び合う5人に、光彦がたずねた。
光彦「ねえ、この女性は誰だい?」
ひとみ「なのは先生です。」
光彦「なのは先生?ああ、写真で見たことある。」
光彦は、少し前になのはの写真を見たことを思い出した。
みゆう「そうそう。その先生なの。」
なのは「あなたが4人のご主人様ですね。初めまして。ただ今紹介に預かりましたなのはです。」
光彦「あ、どうも。日高光彦です。初めまして。」
まゆり「ところで先生、今日は何をしに来たのですか?」
なのは「ふふ、実はですね…。」
そういうと、なのはは持ってきたバッグから何かを取り出した。
なのは「じゃーん!」
あすか「こ…これは…。」
なのは「新しい身分証明書。とうとうわたしも神様の仲間入りをしたわけ。」
なのはは、カルテットの4人の指導をしていた時は上級守護天使であったが、このたびついに10級神への昇格を果たしたのであった。
ひとみ「わあ、おめでとうございます。」
みゆう「で、用件は自慢だけ?」
みゆうのやや厳しいツッコミに対し、なのははこの訪問の真の目的を告げた。
なのは「実は、どうしても会いたい人がいるのです。」
まゆり「会いたい人?」
なのは「以前に私を助けてくれた人の話をしたことがあったでしょう?」
ひとみ「あ、あの人ですか?」
4人は、なのはが「めいどの世界」時代、しばしば自分を助けてくれたタクシー運転手のことを話していたことを思い出した。
なのは「わたしも神様になったことだし、会ってお礼をしようと思って…。」
なのはは顔を赤らめながら言った。
ひとみ「そうなんですか?それはすごいですね。」
あすか「先生…らしいです…。」
まゆり「がんばってほしいですわ。」
みゆう「がんばれー!」
4人は、なのはの純粋な思いを感じ、心からの声援を送った。
ひとみ「で、どこに住んでいるか分かるのですか?」
なのは「それは…分からないのですが、仕事先は分かるから…そこから当たるつもりです。それでは、行ってきます。」
そう言って、なのはは去って行った。
光彦「いやー、さすがに君たちの先生だけあって、優しいいい人だね。」
まゆり「ご主人様にそう言ってもらえるなんて…。」
あすか「さすが…先生です…。」
みゆう「うれしいなー。」
ひとみ「ぜひ頑張って欲しいものですね。」