夢追い虫カルテットシリーズ

VOL.20「再会の日」

そして、ついに土曜日が来た。
4人は蜂蜜トーストやポークソテー、野菜サラダやミネラルウォーターといった自分たちや友人たちが好きそうなメニューを並べて到着を待った。
そうこうしているうちに呼び鈴が鳴り、ドアの向こうから友人たちが現れた。

はるこ「どうもこんばんは。『めいどの世界第8サポートチーム』の者ですが…。」
あいこ「本日はお世話になります。」
まゆり「あ、皆さんお待ちしておりました。どうぞお上がり下さい。」
とうこ「それではおじゃまします。」
つぐみ「こんばんわーっす。」
ゆうき「どうも。」
ひかり「おじゃまします。」
ゆみ「あ、失礼します。」
はやか「おじゃまいたしますわ。」

「めいどの世界第8サポートチーム」の面々は、挨拶を済ませた後、カルテットの4人との再会を喜び合った。

はるこ「みんな久しぶりね。」
はやか「元気そうで何よりですわ。」
ひとみ「どうもありがとうございます。皆さんこそ元気そうで良かったです。」
つぐみ「おう、オレたちも元気元気!」
ゆうき「そんなことよりも、笑顔が幸せそうではないか。」
みゆう「うん、とっても幸せ!」
ひかり「やっぱりご主人様がいい人だから?」
ゆみ「確かに温厚そうな顔をしていますし…。」
あすか「はい…大変…いい人…です。」
あいこ「仕事もちゃんとしているようですねー。」
とうこ「家もきちんとまとまっているようですし。」
まゆり「それはうれしいことですわ。」

ひとしきりの会話も終わり、12人は思い出話モードに突入した。

はるこ「今日は写真を少し持ってきたのよ。ご主人様…光彦さんでしたっけ?もご覧
     になりますか?」

そう言ってはるこが取り出した写真には、メイド服姿で笑っている12人の姿が映っていた。
その写真を見て、光彦は可愛らしさに心を奪われ、カルテットは照れくささに顔を赤くした。

ひとみ「あ、見ないで下さいよ。恥ずかしいですね。」
光彦「これは一体…。」
あいこ「この写真は、まゆりさん達の転生が決まった時に記念で写した物なのですよ。」
光彦「ふーん。これは正装なの?」
ゆみ「はい。他にもっと簡単なメイド服がありまして、それがわたしたちの制服なん
    です。」
光彦「はあ…やっぱかわいいな。」
ゆうき「まあつぐみさんは似合ってはいないがな。」
つぐみ「そんな言い方はないだろおい!」

はるこは他にも色々な写真を見せた。仕事中の物、水着姿の物、食事中の物、就寝中の物など実に様々で、そのたびに光彦は新鮮な気持ちになり、カルテットはなつかしい気持ちにひたるのであった。
そのうち、話題はより具体的な思い出話に進んでいった。

光彦「他に何か面白い話はないの?」

その問いかけに、まずはひとみ関連のネタが出た。

ゆみ「そうですね、あ、ひとみさんには随分お世話になりましたよ。前世が同じアリと
    いうことでお姉さんみたいに思っていたんです。」
あいこ「それに働き者でしたしねー。」
ひとみ「あ、ありがとうございます。」
ゆみ「あいこさんが働き者、っていうことは本当にすごいんですよ、光彦さん。あいこ
    さんも相当すごいですから。」
あいこ「そうですかー?」

続いてはみゆうである。

はるこ「みゆうは前から可愛らしいところがあったわね。ツッコミではゆうきと争ってま
     したけど。」
ゆうき「まああたしと違ってみゆうは善人だがな。」
はるこ「おや。ゆうきがそんなことを言うとは珍しいわね。」
ゆうき「バカでだまされやすいとも言うな。」
みゆう「ゆうきちゃん、ひどいよそんなこと言うなんて。」

さらにはあすか。

ひかり「あすかさん、前世がゴキブリだから…『めいどの世界』でもいじめられてたよ
     ねえ?」
あすか「…はい。でも…つぐみさんが…そのたびに…助けて…くれました。」
つぐみ「おう。やっぱ守護天使になろうってヤツがいじめやるのは許せねえもんな!」
ひかり「あすかさんも助けられることで明るくなっていったよね。可愛くなった、っていう
     か…。」
つぐみ「そうだな。今も可愛くなってるもんな。」
あすか「…ありがとう…ございます。」

そして、まゆりにも話題は及んだ。

とうこ「まゆりさんはある意味はやかさんとキャラがかぶっていましたね。」
まゆり「そうでしたね。話し方も似ていましたし…。」
はやか「それでついつい突っかかってしまいましたわね。」
とうこ「でもケンカするほど仲がいいんじゃなかったですか?」
はやか「そう…でしたわね。」
まゆり「何ですか今の間は?」

このようにして、思い出話は楽しく進んだ。
そして、再び写真の展示会が始まった。
そこで、光彦は気になる写真を見つけた。

光彦「ところで、この女性は誰だい?」
ひとみ「あ、この方はなのは先生です。」
光彦「なのは先生?」
みゆう「あたし達を育ててくれたの。」
あすか「優しい…方でした…。」
まゆり「なのは先生…元気でしょうか?」
はるこ「あ、元気ですよ。」
あいこ「今も頑張って先生やっていますよー。」
光彦「この先生に会ってみたいな。」
ひとみ「え?」
光彦「だって、こんな可愛くて優しいみんなを育ててくれた人なんでしょ?」
みゆう「ご主人様…可愛くて優しいなんて…うれしいな。」
ゆうき「これだけほめてもらったんだからきちんと尽くさなくちゃダメだぞ。」
まゆり「言われなくてもそうしますわ。」
あすか「全く…です。」

そして、いよいよ別れの時間がやってきた。

あいこ「それでは、私たちはこの辺りで失礼します。」
つぐみ「じゃあな。」
ゆみ「楽しかったです。」
ゆうき「きちんと尽くせよ。」
とうこ「ご主人様も皆さんのことを大事にしてあげて下さいね。」
はやか「体には気をつけて欲しいですわね。」
はるこ「お世話になりました。さようなら。」
ひかり「また会おうね。」

かくして、8人は去っていった。
そして残された5人。

光彦「今日は楽しかったね。」
ひとみ「本当でしたね。」
光彦「君達のことたくさん知ることができたし、それに…。」
みゆう「それに?」
光彦「秘蔵写真を見ることもできたしね。いやー可愛かったなー。」
まゆり「そんな…。」
あすか「何か…照れます…。」

思い出や友情の大切さを感じ、初々しい空気を感じる五人であった。

おわり


新キャラ投入用のトークショーです。時間をかけた分、よく分からない作品になってしまいました。


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