饗介は思案にくれていた。
(うーん、もっと効果的にアレする方法はないものか…。)
とその時、みゆうの脳天気な笑顔が饗介の頭の中に浮かんだ。
(そうだ、あの子だったら…血を吸うし、カとハエは種族的にも近いし…ふっふっふ、見てろよ…。)
饗介は、自らの作戦に酔った。
そして次の日。饗介はカルテットの四人をつけていた。
(この念がかかった俺の血をみゆうちゃんの飲物に入れれば…でもどうやって入れようか…。)
饗介が迷っていると、四人は紙コップ式の自動販売機の前にさしかかった。
(そうだ、あれを使えば…よし、君達はジュースが飲みたくなる…。)
饗介はテレパシーを送った。お得意の精神操作術である。
まゆり「ねえみなさん、のどが乾きませんか?」
ひとみ「そうですね。」
あすか「…ジュース…飲みたいです。」
みゆう「あたしも!」
かくして、四人はジュースを買った。
(よし、今だ、行けっ!)
この瞬間を狙い、饗介は自らの血をみゆうのジュースの中に送り込んだ。
そうとは知らないみゆうは、
みゆう「このジュースおいしーい。」
と、あっさり飲み干してしまった。
(これでよし、後は…ふっふっふ…。)
饗介が作戦の次段階について思案を巡らせている頃、カルテットは光彦の待つ家に帰り着いた。