翌日
真吾は大学で昼食を取っていた。
この日のメニューは、かすみのサンドイッチランチ。
箱を開けてみると、ハムサンド・トマトサンド・ツナサンドにカツサンド・・・・
中でもタマゴサンドが一番たくさん入っていた。
真吾「そう言えばかすみさんはタマゴサンドが大好きって言ってたよな」
真吾がタマゴサンドに手を伸ばした・・・・その時!
ひょいっ
真吾「へっ?」
そのタマゴサンドが一つ視界から消える。
真吾「ち、千里!」
千里「やっほー、山下真吾」
真吾の横ではそのタマゴサンドを食べる千里の姿があった。
千里「春休みだってのになんで大学にいんのよ?」
ベンチに座る真吾の隣に座る千里。
真吾「ひ、一つだけ・・・追試があって・・・・」
真吾は誰にも聞かれないほどの小声で話す。
千里「バッカでー」
あきれる千里。
真吾「悪かったな!じゃあ千里は何しに来てんだよ!」
途端に今度は大声を上げる真吾。
千里「アタシは新聞部のミーティングよ、で、今ようやく開放されたってわけ」
真吾「ふーん」
背伸びをする千里に、ようやくサンドイッチを頬張る真吾。
ザアア・・・・・
風が流れ、木々は葉をなびかせている。
千里「!!」
千里が突然ハッとなる。
千里「山下真吾」
真吾「何や?もう一個ほしいんか?」
千里「そうじゃない」
真剣モードに入っている千里。
その顔にようやく真吾も真剣モードになった。
千里「あの木、見て」
千里が山の木々を指差す。
ザアアアアッ・・・ザアアアアッ・・・・
木が何度も何度も風に揺られている。
このままでは枝が折れてしまうかの勢いで・・・・・
千里「何か・・・やな予感がする」
真吾「・・・そうなんか?」
真吾は千里の横顔をじっと見詰めている。
千里「よくはわかんないけど・・・あんたも気を付けたほうがいいわよ」
そう言うと、千里はベンチを達、去っていた。
真吾(千里の感じた事・・・これもあの夢と関係あるんか?)
しばし考え込む真吾。
しかし、謎は深まる一方だった・・・
そして夕方・・・
この日の真吾はバイトだった。
真吾「ふう、ジュースの品出しはこれで完了や、次はお菓子の品出しやな」
真吾は高い棚の上に乗っているダンボールに両腕を伸ばす。
時たま重いのがある上に、二段積みなので気が抜けない。
真吾「よっ・・・と」
真吾がダンボールを下ろそうとした時・・・・・
グラッ・・・
二段目の箱が傾き、真吾の顔に落ちてきた!
真吾「わ、わああっ!」
ゴスッ!
音と共に、真吾の意識がだんだんと薄れていった・・・・・