翌日
ミーコが公園に向かって歩いていると、マコお姉ちゃまに会ったんだよっ。
ミーコ「あっ、マコお姉ちゃま!」
千里「あ、ミーちゃん、今日は一人?」
ミーコ「うんっ」
その時ね、マコお姉ちゃま、何かを食べてたんだぁ。
ミーコ「マコお姉ちゃま、それってちゃわん・・・・・」
千里「ん、これ?アタシの大好物なのよ、いっぱいあるからミーちゃんにもあげるね」
マコお姉ちゃまはそれを二つミーコにくれたんだよっ。
千里「げっ!もうこんな時間!友達と約束してたのにー!」
ダダダダダーッ!!
・・・・・行っちゃった。
あっ、そうだっ!
ミーコ「これっ!」
豊蔵「何じゃそれは?」
ミーコ「ちゃわんむしっ!」
ミーコ、マコお姉ちゃまにもらった物をおじいちゃんに出したんだよっ。
豊蔵「おおっ!」
ミーコ「うんっ!」
豊蔵「肉まんじゃ!」
ミーコ「・・・・・え?」
違ってたんだぁ・・・・がっくり。
ミーコ「おじいちゃん、ちゃわんむしって・・・どんなんなのっ?」
豊蔵「・・・・・・」
ミーコ「?」
おじいちゃんはミーコを見たまま黙っちゃったのっ。
ぽんっ!
おじいちゃんは一度手を打って・・・・・
豊蔵「これじゃ」
すぐ近くにあった物を指差したのっ。
ミーコ「おじいちゃん・・・それ『肉まん』って言ってたよねっ」
豊蔵「ふぉふぉふぉ、冗談じゃよ」
ミーコ「むぅー」
笑いながらからかうおじいちゃんに、ミーコ、ほっぺをふくらましちゃったのっ!
豊蔵「ほれ、ミーコちゃんも食え」
おじいちゃんは肉まんを一つミーコにくれたのっ。
豊蔵「茶碗むしかと思って持ってきてくれたんじゃろ?いい子じゃな、ミーコちゃんは」
ミーコ「エヘヘ・・・・」
ミーコ、ほめられちゃったっ。
おじいちゃんと一緒に肉まんを食べてた時、ミーコ、こんな話を聞いたんだぁ。
ミーコ「おじいちゃんはどうしていつも公園にいるのっ?」
豊蔵「ばーさんが死んでからワシは一人じゃから、
ここしか落ち着ける場所が無いんじゃよ・・・・・」
ミーコ「他の人は・・・・いないの?」
豊蔵「みんなこの山口を離れて広島へ出稼ぎに出ちまったんじゃ・・・・・」
ミーコ「・・・・・・」
おじいちゃん、寂しそう・・・・
ぎゅっ
豊蔵「うん?」
ミーコ、思わずおじいちゃんにしがみついちゃったんだぁ。
ミーコ「約束っ」
豊蔵「何じゃ?」
ミーコ「絶対ちゃわんむし、食べさせてあげるっ!」
豊蔵「・・・・・ありがとよ」
おじいちゃんはミーコの頭をなでてくれたんだよっ。