Happy Angle Paradise!

第5話「ちゃわんむしのおはなし」

真吾「ミーコー、メシやでー」
ミーコ「はーい、ご主人ちゃまー」
真吾「よっしゃ、ちゃんと来たな」

ナデナデ

ミーコ「エヘヘ・・・・」
真吾「ちえこ、今日のメニューは?」
ちえこ「おいしい茶碗むしかも〜」
ミーコ「え・・・・・」

その時、ミーコは初めて・・・「ちゃわんむし」がどんな物なのかを知ったんだよっ。

 

 

ある日ね、ミーコは公園を一人で遊んでたんだぁ。
そしたらね・・・・

ミーコ「あれ?」

一人のおじいちゃんがベンチに座ってミーコを見てたんだよっ。
滑り台をつーっと滑り降りたミーコはおじいちゃんに声をかけたのっ!

ミーコ「どうしたのおじいちゃん?ミーコをじーっと見てたけどっ」
老人「ほぉ、お前さんはミーコというのか、まるで猫の名前みたいじゃな」

おじいちゃんはニッコリ笑ったのっ。

ミーコ「エヘヘ、だってミーコは・・・あっ!」

気が付いたミーコは口を押さえて言うのをガマンしたんだぁ。
ご主人ちゃま、昔ミーコはネコだった事、ちゃんとバレずにすんだよっ、エヘヘ。

老人「いやなに、お前さんがワシの孫にそっくりだったもんでな」
ミーコ「ふーん」

でねでね!そのおじいちゃんの名前は豊蔵さんっていうんだよっ。
ミーコ、おじいちゃんといろんな事を話したんだぁ。
その時ね・・・・・

豊蔵「ミーコちゃん、好きな物は何じゃね?」
ミーコ「たい焼きっ!」

おじいちゃんの言葉にミーコは笑顔でそう答えたのっ。

ミーコ「おじいちゃんは?」

ミーコがこう言うとね、おじいちゃんはこう答えたんだぁ・・・・・

豊蔵「茶碗むし・・・・じゃよ」
ミーコ「・・・・・ちゃばんうし?」
豊蔵「ちゃ・わ・ん・む・し・じゃ」

ちゃわんむし・・・・・

豊蔵「ワシのばーさん、つまりワシの奥さんがよく作ってくれたんじゃよ・・・
   その美味しさといったら!あの柔らかな味わい、とろけるような舌触り・・・・
   もう一度だけ食べてみたいものじゃ・・・・」

おじいちゃん、ちょっと寂しそうに話してたんだぁ。

ミーコ「いつか食べれるといいねっ」
豊蔵「ふぉふぉ、ありがとよ」

ミーコがはげますとおじいちゃんはニコッと笑ってくれたんだよっ!

 

 

 

その日の夜・・・・・

ミーコ「・・・・・」
かすみ「どうしたのミーコちゃん?グラタン、嫌いだったの?」
ミーコ「え?う、ううん!違うよっ!」
ミーコ、ぼーっとしてたみたい・・・・
    かすみお姉ちゃまが声をかけてくれてよかったぁ。
りな「どーしたのミーコ?ぼけーっとして、ちえこじゃあるまいし・・・・」
ちえこ「えぐえぐ・・・りなさん、ひどいかも〜」

ちえこお姉ちゃまってすぐ泣くんだねっ。
思い切ってミーコはご主人ちゃまに聞いてみたんだよっ。

ミーコ「ご主人ちゃまっ」
真吾「んー?」
ミーコ「ちゃわんむしって何?」

ご主人ちゃまは一度メガネをクイと上げて・・・

真吾「そうやなー・・・・とろっとしてて、中にいろんな具が入っててウマいんや」
ミーコ「ふーん」

うーん、ご主人ちゃまの説明だけじゃよくわかんないなぁ・・・・・

ミーコ「ましろお姉ちゃま、ちゃわんむしってどんな具が入ってるの?」
ましろ「そうですね・・・エビ・・・かまぼこ・・・それに・・・
    銀杏や・・・穴子なども・・・入ってますよ」

ぎんなん?あなご?
ううーん・・・やっぱりわかんないよぉ・・・・・

結局その日はうんうん考えながらグラタン食べてたんだぁ。


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