12月21日
冬季休講に入ったオレはのんびりと休日を過ごしている・・・ワケもなく、休日という事でバイトの日数が増え、くる日もくる日も働いている。
はあ・・・・街はきれいなイルミネーションに包まれ、その中を歩けばどこもかしこもカップルがおるってこの時、何でオレは仕事をしとるんやろーなぁ・・・・・
思わずため息を一つこぼすオレ。
声「元気ないわねぇ、山下真吾」
真吾「なっ!?」
いきなりの声にオレが前を見ると、あの千里眼が立っていたのだ。
千里「コンビニ店員は笑顔が命よ、わ・か・る?」
真吾「は、はい・・・」
ニヤニヤする千里にオレは眉毛をヒクつかせずにはいられない。
千里「ところでアンタ・・・クリスマスには何か予定あんの?」
千里がいきなりオレに尋ねかけてきた。
真吾「別に・・・無いけど・・・」
千里「え?」
千里が目を丸くする。
真吾「いや、え?って・・・」
千里「あの五人とパーティでもすると思ってたのに・・・・」
千里はがっくりした様子で話す。
真吾「そんな余裕もあんま無いからなぁ・・・・」
オレは肩を落とす。
千里「ま、せいぜい働いていなさい、じゃーねー」
千里は笑いながら帰っていった。
何をしに来たんや?アイツは・・・・・
真吾「帰りましたー」
オレは下宿所のドアを開ける。
かすみ「やっぱりチキンは必要でしょうか・・・」
ちえこ「じゃあ暖かい物はこれとかがいいかも~」
かすみさんとちえこが何かを話し合っている。
真吾「二人とも何を話しとるんや?」
オレが二人に声をかける。
かすみ「え?あ・・・ああっ!」
ちえこ「ご、ご主人様!いつの間に帰ってたのかも~!?」
真吾「あ・・・・」
二人が思いっきりビックリしたので、オレもビックリしてしまった。
真吾「いや・・・今さっきやけど」
かすみ「ぽっ・・・そ、そうでしたか、お帰りなさい」
かすみさんがニコッと微笑む。
ちえこ「かすみさん、じゃあこの話はまた明日かも~」
かすみ「ええ、そうしましょう」
二人は雑誌を置いて、夜食作りにキッチンへと向かった。
何の雑誌なんやろ?
『冬のお勧めレシピ 50選』
ふーん、いろいろ毎日の献立を決めるのも大変なんやろーなぁ・・・
フゥ、今日は疲れたから夜食食ったらもう寝よ・・・・・