Happy Angle Paradise!

第4話「天使達の聖夜」

12月24日

ついに今日はクリスマス・イヴ。
でもオレはそんな日もバイトをしている。
いや、これも生活の為や、ガマンガマン・・・・・
さあー、仕事や仕事!!

午後10時

あと一時間やな、あと一歩、気を抜かずにがんばろう!
オレが気合を入れた、その時。
ピンポーン
音と同時にコンビニのドアが開いた。

真吾「いらっしゃいませ・・・・あ」

オレは振り向いた途端に目を丸くする。

千里「ハア・・・ハア・・・ハア・・・」

そこには全速力で走ってきたのか、息を切らし、ひざに手を当てながら前かがみに立つ千里の姿があった。
そして千里は顔を上げる。

千里「アンタ・・・まだこんなトコで油売ってんの!?早く家に帰んなさいよ!」
真吾「ど・・・どういう事や?」
千里「あの五人・・・あんたに内緒でパーティーの準備をしてたのよ!」
真吾「な、何やて!?」

突然の言葉に驚きが隠せない。

真吾「で、でもオレはまだ一時間バイトが・・・」

オレが沈んでいた・・・その時!

店長「山下くん・・・その話、本当か?」

いつの間にか店長と松田さんがオレの横にいた。

真吾「て、店長?」
店長「これ以上その五人を待たせるんじゃない、今日はもう帰れ」
松田「一時間くらいなら僕と店長だけでも十分ですから」

二人がオレに優しく声をかけてくれる。

真吾「店長・・・松田さん・・・」

オレは二人に一礼して、制服を脱ぎ捨て、自転車にまたがった。

店長「待て、山下くん!」

いきなり店長がオレを呼び止めた。

真吾「はい?」

 

 

 

 

真吾「では、失礼します!」

オレは自転車のペダルを踏み出した。

千里「まだイヴが終わるまで二時間あるってのに全速力で・・・バカ」
松田「きっとその五人は、山下さんの心の中にはとても大きな存在なんでしょうね・・・・・」
店長「山下くん・・・どんな時も、信頼を忘れるんじゃないぞ」

 

 

 

 

真吾「ハア・・・ハア・・・ハア・・・」

全力で自転車をこぎ、下宿所に戻ったオレ。

ミーコ「あー、ご主人ちゃまー!お帰りー!」

階段の上からミーコの声が聞こえた。

そこにはミーコを心配してか、ましろの姿もあった。

ましろ「お帰り・・・なさい・・・」
真吾「二人ともありがとう、さあ、中に入ろう」

カチャッ
オレが玄関のドアを開けると・・・・・


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