Happy Angle Paradise!

第3話「奴の名は千里眼!?」

オレが後ろを振り向くと、そこには一人の女性がいた。
ポニーテールで額部分にサングラスをつけ、Gジャンとジーンズを着こなし、左手にはカメラが握られている。

女性「アンタ、山下真吾よね」
真吾「あ、ああ・・・」

唐突に名前を呼ばれて、オレは何が何だかわからなかった。
女性はオレの前の席に座り、口を開く。

女性「まずは自己紹介しとくわね、私は『チサトマコ』、ま、チサトとでも呼んで」
真吾「ああ・・・」
チサト「アンタ、私の記事を見てたわよね」
真吾「ああ、そうやけど・・・って!じゃあお前が・・・」
チサト「そう、千里眼と書いてチサトマコ」

なんて名前だ・・・

千里「フフフフフー」

千里は突然ニヤニヤする。

真吾「な・・・何やねん、一体」
千里「ずいぶんすごいお弁当ねぇ」

ギクッ!!

千里「大学生ってたいがい一人暮しよねぇー、なんか怪しいなー」

ギクギクッ!!
こ、こいつ・・・まさかオレに探りを入れてる!?
ヤバイ、あんな迷惑記事を出すヤツや、ここで三人の事がバレたらエラい事になる!

真吾「オ、オレの下宿所は賄い付きなんや、でもおばちゃんいっつもいっぱい作るからさー・・・」
千里「残り物にしてはかなりの量だよねぇー」

うぐ・・・・・

千里「素直じゃないなー、もうハッキリ言っちゃえば?」

千里は更にニヤニヤしている。

真吾「何がや?」
千里「彼女と同棲してるって」
真吾「ブッ!!」

思わずふきだすオレ。

真吾「ア、アホか!こんなオレに誰が!それこそ違うっての!」
千里「そりゃそうだよね」

グサッ!

真吾「・・・・・勝手に言ってろ!」

オレは席を立ち、その場を去る。
しかし千里は追いかけない。

千里「覚悟しなさい、山下真吾・・・時間はまだまだあるんだから、フフフフフ」

千里の不敵な笑みに周りの学生たちが退いていた。


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