アタシたちは駅前の大きな商店街通りにいた。
ゲーセンによったり、服の好みで意見が分かれたり、一緒にマクドでハンバーガー食べたり・・・
そして途中のナンパはアタシがさらっとかわしてあげた(姉さんだと金槌ツッコミ、やりかねないから・・・)
時はあっという間に流れ・・・もう夕日が沈むころ、アタシと姉さんは公園にいた。
りな「あーっ、楽しかった!」
ベンチに腰掛け、アタシは思いっきり背伸びをした。
りな「こうやって2人で遊びに出かけたの、いつ以来かな?」
ユナ「フフフ・・・」
りな「?」
姉さんがいきなり笑い出したから、アタシはついキョトンとする。
りな「ど、どうしたの?姉さん」
ユナ「りなちゃん、やっと笑ってくれたね」
りな「あ・・・・」
そういえば・・・いつの間に。
アタシ、いきなり帰ろうって言ってきた姉さんが許せなかったハズなのに・・・
ユナ「あーあ、真吾さんの前ではいっつもニコニコしてる癖に、どうしてお姉ちゃんにはこんな時
にしか笑ってくれないのかな・・・」
りな「そっ、それは・・・姉さんがいきなり帰ろうとか言うから!」
ユナ「・・・ふぅん」
りな「あっ!」
・・・つい本音が出ちゃった。
ど、どうしよう・・・
ユナ「りなちゃんは、本当に真吾さんが大好きなのね・・・」
姉さんはニコッと笑ってそう言った。
りな「姉さん・・・」
ユナ「・・・わかりました、今回は諦めます」
フワッ・・・
そう言うと、姉さんはだんだんと体を宙に浮かせていった。
ユナ「でも真吾さんに言っておいてくださいねー、りなちゃんを泣かせたら私がただじゃおきませ
んよってね!」
ヒュンッ!
姉さんは彼方へと飛んでいった。
りな「姉さん・・・パンツ見えてるって・・・」
アタシは呆れてため息を1つついた。
真吾「おーいっ!」
・・・ん?
りな「あれ、ごしゅ・・・おっと・・・真吾?」
ご主人様が走ってきたのだ。
りな「なんでアタシの居場所がわかったの?」
真吾「ユナさんから連絡があったんや、この時間頃にここにおるって」
りな「ふぅん・・・」
姉さんったら・・・フフ。
真吾「ユナさんは?」
りな「帰ったわよ」
真吾「そっか、エエ息抜きになったか」
りな「うん、とっても」
真吾「そっか・・・じゃ、家に帰ろうか、そろそろ腹へったやろ」
りな「そうね、帰ろっと」
アタシはもう一度背伸びをした。
真吾「今日はオレがチンジャオーロース、作ったんやで」
りな「どーせピーマン以外はレトルトでしょー?」
真吾「ひどっ!結構自信あるのにー!」
りな「フフッ、冗談冗談♪」
アタシはベンチから立ち上がり、ご主人様の腕につかまる。
真吾「り、りな?」
ププッ、慌ててるご主人様、かわいい♪
りな「行こっ」
真吾「あ、ああ・・・」
アタシたちはそのまま2人並んで家路を目指した・・・・
ユナ「うらやましい・・・私もあんなご主人様が欲しかったな」
セリーナ「だったら他の道だってあったたでしょう、どうしてあの時、フェンリルへの入隊を希望し
ましたの?」
ユナ「えー・・・なんというか・・・カードマスターって結構楽しいから・・・でしょうか」
セリーナ「妹を守るためなら自分の正体も隠す・・・あなたも結構ズルいですわね」
ユナ「お姉ちゃんってのは・・・そういうものなんですよ」
セリーナ「ふふ・・・さて、とりあえず始末書は書いて貰いますわよ、無断外出したんですから」
ユナ「はいはい」
民家の屋根でアタシとご主人様の笑顔を見ながら、2人がそんな会話をしてたのは・・・・
当然アタシもご主人様も気付いてなんかいなかった・・・・