Happy Angle Paradise!

第8話「再会」

真吾「それじゃ、失礼します」
店長「ご苦労さん」

ふー、今日のバイトも大変だったな・・・
でも今日は給料を貰えたから、そんなのどーでもエエわ。
再び気ままなキャンパスライフを送るオレは、家計を支えるために今日もバイトを頑張っている。
最初の頃はオレとかすみさんだけだったのだが、最近はE3もバイトを見つけたらしい。
ジョニーはファミレスで女性客の人気を呼び、商売繁盛。
セティもかすみさんと一緒の定食屋で働き、看板娘が増えた、と更に商売繁盛。
フリードも回転寿司で得意の寿司の腕を披露し、これまた商売繁盛。
・・・・・・・・・・
オレの給料、雀の涙?
ま、稼げるだけいいか。
さて・・・家までもうすぐだ、奮発して今日はお土産買ったからみんなで・・・

真吾「!」

キキッ!
オレは気配を感じ取り、自転車を止める。

真吾「・・・誰かおるんか?」

オレは声をかけてみた。

声「・・・さすがは月の勇者、山下真吾さんですね」

スッ・・・・
電柱の影から誰かが現れた、声からして、どうやら女性のようだ。
ラグナロクオンラインのプリーストのような法衣をまとっている。
街灯でぼんやりとしか見えないが、顔は・・・

真吾「あ・・・り、りな?」

顔がりなそっくり・・・いや、りな自身なのか!?
オレは訳が解らず、混乱する。
しかし、そんなオレを無視して女性は口を開いた。

女性「すみませんが・・・」
真吾「え?」
女性「・・・死んでください♪」

女性がニコッと笑いながらとんでもない事を口にした。

真吾「ハァ!?」

オレの目が点になる間に、女性がダッシュで近づいてきた。
パシュッ!

真吾「うわっ!」

女性の右ストレートを紙一重で避けたオレはバックステップで体制を整える。

真吾「とうっ!」

オレは前ステップで一気に踏み込み、ワンツーを繰り出した。
シュッ ヒュッ
しかし2発とも空を切った。
シュッ

真吾「?」

女性が懐から何かを取り出した。
それは1枚のカードだった。

女性「サモンウィスプ!」

女性がカードに力を込めた!
刹那!
キイイン!

真吾「うおっ!?」

光の玉が目の前に迫ってきた。
シュウッ!
ホッ、避けれた・・・

女性「外しましたか、ではこれなら」

キュイインッ!
今度は2つか!

真吾「出でよ、月詠の剣!」

バシイイイッ!
光球と剣がぶつかり合う!

真吾「くぬううう!」

シュウウ・・・
やがて、光球が消滅した。

真吾「ハァ・・・ハァ・・・」

オレはいったん息を整えた。

女性「フフッ・・・さすがですね、私のウィスプを弾き飛ばすなんて」
真吾「お前・・・りなやないな、いったい誰やねん!」
女性「ウフフ・・・」
女性は再びニコッと笑って懐に手を伸ばした・・・・その時!
声「ご主人様ー!」
真吾&女性「!」

オレの背後で声がした。

真吾「みんな!」

オレが振り向くと、そこには守護天使が何事かと集まってきたのだ。

かすみ「何か力を感じたので・・・」
フリード「何があったんですかい、殿!」

ササッ!
ましろとりな、そしてセティがオレの前に回りこんだ。

ましろ「新手の・・・呪詛悪魔ですか!?」
りな「隠れてご主人様を狙おうなんて、いい度胸じゃん!」
セティ「旦那様には指1本触れさせないわよ!」

3人は力を解放し、身構える。

女性「来たわね・・・」

女性が歩み寄った時、再び街灯によって顔が映った。

りな「・・・・ええっ!?」

突如、りなが驚愕の声を上げた。

ちえこ「りなさん、どうしたのかも??」
ちえこがりなに尋ねる。
目が点になったりなは、しばしの間を置いた後、口を開いた。

りな「ね、姉さん・・・・」
真吾たち「ええーっ!?」

オレたちもおもわず目が丸くなってしまった。

女性「フフ・・・久しぶりね、りなちゃん」


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