Happy Angle Paradise!

OtogiWars 第六幕「真吾よ、剣を取れ」

バリバリバリ!!
電撃が走り、空間が開く。
ゴゴゴゴゴゴゴッ!!
その中から、2匹の巨大な魔物が姿を現した。

フリード「キングホエール!あの生意気なヤツらを叩きつぶせ!!」
セティ「あの7人を消去するのよ、ビッグガルーダ!!」
ホエール「グオオオオ!」
ガルーダ「キシャアアアア!」

2匹が咆哮をあげる。

ちえこ「ひ、ひえええ〜」
りな「1体でも苦戦した巨大使い魔を、今度は2体も・・・」
ましろ「・・・・・」

勇者達は目の前の現象に恐怖する。
しかし・・・

真吾「みんな!オレに力を貸してくれ!」

その中で、真吾が力強く声をあげた。

かすみ「ご主人様・・・・」
真吾「オレ達7人が力を合わせれば、怖いものなんかあらへんのや!!」

真吾の叫びに、6人の目は輝きを取り戻す。

ケン「へっ・・・言うようになったじゃねぇか、マスター!」

ケンがニッと笑う。

ちえこ「ちえこ達もがんばるかも〜!」

再び、巨大使い魔との戦いが幕を開けた!!

真吾「おっと、まだ準備が終わってなかった」
りな「はあ!?」

真吾の言葉に、6人は目が点になる。

真吾「オレの心具はこれだけやない!」

バッ
真吾が天を見上げる。

真吾「いでよ、月詠(つくよみ)の剣!!」

ピイイイン!
真吾の声が響いた瞬間、夜空の月から光が真吾に差し込んできた。
その光の中から、真吾の背丈に届くほどの長くて大きな剣が現れた!
バシッ!
真吾はそれを両手で掴み、ブンッと振りかざす。

フリード「それがお前の本当の心具か・・・」
セティ「上等じゃない!あなたの腕、とくと見せてもらうわよ!」
ガルーダ「シャアアアッ!」

ゴオッ!
ガルーダが突撃を仕掛ける!
ババッ!
7人は緊急回避でそれを避ける。

ケン「野郎!」

ケンがフェニックスダーツを構える。
刹那!
ゴオッ!

ケン「うわっと!」

再びガルーダの突撃がケンを襲ったが、ケンは紙一重でそれをかわした。

ちえこ「ふえ〜ん、速すぎるかも〜!」
りな「デカいくせして・・・結構やるじゃん!」
かすみ「りなさん、感心してる場合では・・・きゃっ!」

カカカカッ!
今度は上空から無数の羽根が飛んできた!
カキッ! ギインッ!
すかさずましろが水境の盾で弾き返す。

ましろ「ボヤボヤしては・・・いけません」
かすみ「すいません、ましろさん!」

かすみはましろに礼を言う。

セティ「あんた達にガルーダの動きは見切れないわよ!」

7人をあざ笑うセティ。

ましろ「・・・どうすれば」

ましろがつぶやく。

真吾「せや!ちえこ、りな、かすみさん!!」

真吾がある事を閃き、3人を呼び寄せる。

真吾「あのな・・・ボソボソの・・・ヒソヒソ・・・」

真吾が3人にこっそりと何かを伝えた。

りな「ふーん、おもしろそうね・・・いいよ、付き合ったげる!」
ちえこ「わかりましたかも〜!」
かすみ「私なんかでお役に立てるのなら・・・」

真吾と3人が身構える。

セティ「何を企んでるかは知らないけどムダよ!行きなさい、ガルーダ!」
ガルーダ「キシャアアアアーッ!」

ガルーダが突撃を仕掛ける!

真吾「今や!」

真吾が叫ぶ。

かすみ「大地よ・・・」
ちえこ「木々よ・・・」

2人が呪文の詠唱を始める。

2人「かの者を捕らえよ!!」

バゴッ!
突如ガルーダの下から岩がふき出し、ガルーダの足を捕らえた!
ザアアッ!
そしてちえこの発した気から、数本の太い蔓が現れ、ガルーダの羽と首に絡みつく!

ガルーダ「シャ・・・シャアアッ!!」

動きを封じられたガルーダは懸命にもがく。

セティ「なっ!?ちょっとジョニー、どうにかしなさいよ!」

セティがジョニーを怒鳴る。

ジョニー「同じ地の力なら無効化できるが、木の力は・・・・」
真吾「もらったぁっ!!」

真吾が月詠の剣を握り、ガルーダに向かっていく!

セティ「やるわね・・・でもあんたにガルーダが倒せるかしら?飛んで頭からたたっ斬らない限りはね!」

しかしそんなセティの叫びとは裏腹に、真吾はつぶやいた。

真吾「飛べないんなら・・・飛んでやるよ!」
りな「はあああっ!」

りなが白虎の牙を振り回す!

りな「天界槍術奥義・・・旋風槍!!」

ブウーンッ!
りなの周りに竜巻が発生した!

りな「いっけえーーーっ!」

りなが竜巻を真吾に向けて放つ!
ブワアッ!
真吾は竜巻に乗って高く舞いあがる。
そして真吾は・・・・ガルーダの真上を捕らえた!
真吾の剣が白く輝く!

真吾「行くぜ!月詠の剣・・・真・三日月斬りーーーーーーーーっ!!」

ズバアァァァァァァァァァァァァァァァッ!!

ガルーダ「ギャアアアアアアアアアッ!!」

ガルーダの身体は真っ二つに割れ、光によってチリとなった。

ちえこ「やったかも〜!」
かすみ「はい、やりましたね」
りな「やるじゃん、ご主人様!」

3人が歓喜の声を上げる。

ケン「マスター・・・」
ミーコ「ご主人ちゃまぁ、すっごーいっ!」

そして後ろで真吾の作戦を見守っていた3人も歓喜の表情。

セティ「あ、あたしのガルーダが・・・・」

力を失い、膝を付くセティ。

フリード「やってくれるじゃねえか・・・だが、俺のホエールはそうはいかねえぞ!」
ホエール「グオオオオッ!」

ブンッ!

ミーコ「にゃっ!?」
 
グオッ!

ケン「おっと!」
 
ホエールは突進やテールアタックで7人を寄せ付けない。

真吾「行くでぇ、ケン!」
ケン「おう!」

ケンが数本のダーツを解放する!
ドシュッ!
真吾の両腕のガントレットが抜け、その2つが2丁のサブマシンガンに姿を変える!

ケン「いけぇ!」
真吾「くらえっ!」

バシュウッ! ガガガガガッ!
無数の矢と銃弾が放たれる!
ギィーンッ!
しかしホエールは、2人の一斉射撃をいとも簡単に弾き返してしまった。

真吾「何っ!?」

真吾とケンは驚きを隠せない。

フリード「そんなチンケな攻撃、ホエールには効かねぇぜ!」

フリードが叫ぶ。

ケン「なら・・・これならどうだ!!」

ケンが1本のダーツを握る。

ケン「はああああああっ・・・・」

集中力を高めるケン。

ケン「・・・来たぜ!」
りな「はぁ?何が・・・」

ピキーン!
力を込めたダーツが赤く輝く!
ゴオオッ!
その輝きからは、凄まじいオーラが流れている!

ケン「受けて見やがれ!バニシングキャノーンッ!!」

ドオーーーンッ!!
ケンが輝くダーツを投げつける!
そのダーツはまるで灼熱の炎をまとった槍のようにホエールに向かって飛んでいく。
ズバァァァァァンッ!
灼熱の炎がホエールを包む!

ましろ「・・・やった?」

やがて次第に炎が消えていく・・・

ミーコ「ああっ!」

7人は目を疑った。
ケンのバニシングキャノンが直撃したはずのホエールの体は、各所に僅かばかりの焦げがあるのみだった!

フリード「さすがにそれだけの力をぶつけられちゃあ、ホエールも痛がるだろうからな・・・残念だが防がせてもらったぜ」

フリードの右手が青く輝いている。

りな「あいつ!」

りなが槍をブンッと振りかざして叫ぶ。

ましろ「あの・・・頑丈な皮膚を・・・貫く術は・・・?」
真吾「いや、まだ手はある!」

ましろのつぶやきに真吾は答える。

真吾「ケン、もう一度バニシングキャノンのチャージや!今度はオレもぶっぱなす!」
ケン「おう!!」
真吾「ましろはオレとケンにシールドをはってくれ!ミーコは力の増幅を!」
ましろ「はい・・・」
ミーコ「うんっ!」

4人が準備に取り掛かる。

真吾「ムーンライトカノン、スタンバイ!!」

ドシュッ! グググググッ! ガチンッ!!
再び真吾の両腕から抜けたガントレットが、今度は大きさを増し、真吾の両肩に1本ずつ乗る。

ケン「・・・・来たっ!」
ピキーンッ!
ダーツが赤く輝く!

ましろ「ウォーター・・・リフレクション!」

シューッ・・・
真吾とケンの前に水のフィールドが現れた。

ミーコ「えーいっ!」

キラキラキラ・・・・
砂粒のような光が真吾とケンに降り注ぐ。
ギュイイイイイインッ!
真吾のカノンもチャージを始める!

フリード「させるかよっ!」
ホエール「グオオオオオ!」

ホエールが真吾とケンに向かってきた!
しかし、真吾とケンは微動だにしない。

かすみ「ご、ご主人様っ!?」
りな「ケン!?」

焦る2人。
動かない2人の様子に、フリードはピンと来た。

フリード「零距離射撃を取ろうったってそうはいかねぇぞ・・・これでどうだ!!」
ホエール「グアーーオッ!」

突撃するホエールはそのまま大きく口を開く!
ゴオオオオッ!  バクンッ!
真吾とケンは、ホエールの口の中に吸い込まれていった・・・・

かすみ「あ、あああ・・・・」
りな「ウ、ウソでしょ・・・」
ちえこ「ご、ご主人様ぁ〜・・・えぐえぐ」

絶望する3人。

フリード「ハ、ハハ・・・ハハハハハ!やったぜ!真吾とケンを仕留め・・・!」

2人を倒した歓喜で大笑いしていたフリードだが、何かに気付き、顔をゆがめる。

ましろ「・・・フフ」
ミーコ「へへへー」

ちえこ・りな・かすみの3人に対し、ましろとミーコは笑っていたのだ。

フリード「へ、へっ!苦し紛れに笑ってんじゃねーよ!」

2人を罵倒するフリード。
その言葉にましろは口を開いた。

ましろ「まだ・・・わかりませんか?結界と・・・増幅魔法をかけた・・・理由が」

その言葉にジョニーがハッとなる。

ジョニー「ま、まさか!?」
ミーコ「もう遅いよっ」
ミーコが口を開いた・・・その時!

声「バニシングキャノーーーンッ!」
声「マキシマムレベル、シューーッ!」

2人の声が響く。
ピキィィィィンッ!

フリード「!」

ホエールの体の一点が白と赤色に輝きだした!
ドンッ!!!!
そしてその一点から、赤と白の波動がホエールを貫く!

ホエール「グゲエエエエエエエエエ!!」

ホエールは力を失い、ガルーダと同様にチリとなって消えていく・・・・
その中から、輝く水に包まれた真吾とケンが姿を現した!

かすみ「ご主人様!」
りな「シールドの方を強化しての内部破壊ね・・・無理しちゃって」
ちえこ「すごいかも〜!」

悲しみに陥っていた3人も笑顔を取り戻した。

フリード「な、何てこった・・・」

フリードもがっくりと肩を落とす。

りな「さあ!今度こそ終わりみたいね!」
りなが槍をE3に突きつけて叫ぶ。

セティ「あ、あたし達と同じ恨みを持つ呪詛悪魔なんて・・・他にも沢山いるんだから!」
フリード「こうなったら刺し違えてでもたたっ斬ってやる!」

2人が心具を解放する!

声「そこまでだ!!」
7人・E3「!?」


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