オトギ大戦-OtogiWars- 第六幕
『真吾よ、剣を取れ』
フッ・・・・
ようやく白い光が消え、光の中から真吾が現れる。
真吾「今まで、迷惑をかけてすまんかったな」
真吾がそっと口を開く。
ましろ「ご主人・・・様？」
ミーコ「ご、ご主人ちゃま・・・何か違う人みたいだよぉ・・・」
りな「でも・・・あそこにいるのは間違いなくご主人様だよ」
いつもとは違う真吾の風格に6人は戸惑いを隠せない。
真吾「後は・・・まかせろ」
ザッ・・・
真吾がE3に向かって歩いていく。
かすみ「ご、ご主人様！？」
ケン「だから無茶だってんだろーが、バカッ！」
真吾「・・・・・」
真吾は足を止めると、6人に顔を向け、小さく微笑んだ。
ザッ・・・
そして、再び歩き出した。
ちえこ「ご主人様〜・・・」
ピタッ
真吾がE3の前で足を止める。
ジョニー「人間のお前が1人で何ができる？」
真吾「お前たちを倒す、それに今のオレはただの人間やない」
ピクッ
真吾の言葉に眉を動かすフリード。
フリード「おもしれぇ・・・やってみせろぉ！」
覇海丸を持ったフリードが真吾に斬りかかる！
かすみ「ご主人様っ！！」
かすみが声をあげる。
真吾「・・・・っ！」
真吾がキッと目を細める。
ガキィーンッ！！
フリード「！！」
だが、フリードが感じ取ったのは肉を斬る感触ではなく、何かにぶつかった感覚。
真吾「残念」
ニヤリと笑う真吾。
フリード「何っ！？」
真吾はクロスした両腕でフリードの覇海丸を受け止めていた。
りな「あ・・・あれ！」
りなが真吾の両腕を指差す。
その両腕には、装飾が鮮やかな白く長い腕輪があった。
ジョニー「『月光ガントレット』か・・・」
ジョニーが心具の名をつぶやく。
真吾「月光ガントレット、筋力開放！」
ドガッ！
フリード「うがっ！」
フリードの顔に真吾の右フックがめり込む。
セティ「ちっ！」
シュウッ！
セティが風魔手裏剣を真吾に向けて投げつける。
ガギッ！
真吾はガントレットでそれを受け止める。
真吾「おらあっ！！」
バシュウッ！
真吾は腕を振り、手裏剣を弾き飛ばした。
ダッ！
そして、真吾はダッシュで一気にセティとの距離をつめる。
真吾「はっ！ふんっ！せいっ！やっ！」
セティ「せっ！はっ！やっ！とうっ！」
映画さながらのアクションが繰り広げられる。
セティ（こいつ・・・強い！？）
ドッ！
セティが一瞬気を抜いた瞬間、真吾がセティの腹に膝を入れた！
セティ「・・・・かっ！」
セティはそのまま地面に倒れる。
ジョニー「な、何なんだ・・・お前」
ケン「マ、マスター・・・」
りな「す・・・ごいよ、ご主人様」
全員が豹変した真吾に驚く。
真吾がゆらりとジョニーに体を向ける。
フリード「ぐっ・・・うう」
セティ「うっ・・・ごほっ！ごほっ！」
真吾の後ろでは、2人が苦しみ、もがいている。
ジョニー「人間のお前が・・・なぜそれ程の力を！？」
真吾「何だかわからへんけど・・・戦い方が頭に浮かんでくるんや」
ジョニーの言葉に、真吾がつぶやく。
ジョニー「フ・・・フフ、すごいじゃないか！人間でもそれだけの力を発揮できる七曜の力、何としてでも俺達の物にしてやる！」
ジョニーは笑いながら叫んだ。
真吾「みんな、いけるか？」
真吾が6人に声をかける。
りな「う、うん！」
かすみ「はい、大丈夫です」
ましろ「・・・行きましょう」
ちえこ「それより〜、何か体が軽いかも〜」
ケン「ああ、力がみなぎってくるぜ！」
ミーコ「ミーコも戦うよっ！」
6人が真吾の元に駆け寄る。
セティとフリードもようやくジョニーの元に駆けつけた。
ジョニー「強くなったとはいえ真吾だけだ、一気に叩け！」
数分後・・・・
そこには心具を構える7人と倒れたセティ・フリード。
そして息を切らすジョニー。
ジョニー「な、なぜだ？コイツら・・・前よりも動きが良くなっている！」
ケン「そうさ、こっちには自信をつけたマスターがいるんだ！」
りな「統率だってパワーアップしてるんだから！これもアタシ達の絆の力よ！」
ケンとりながジョニーにプレッシャーを与える。
フリード「ふ・・・ざけるなぁ！」
フリードが立ち上がる。
セティ「自然と動物の共存を忘れた人間に・・・・絆なんてありはしないのよ！」
セティもふらっと体を起こす。
ちえこ「もうやめてかも〜！」
ましろ「今の・・・あなた達では・・・勝てません」
2人が懸命にやめさせようと説得する。
フリード「アニキ・・・もう止めても無駄だぜぇ・・・」
セティ「七曜の力、手に入らないのなら、いっそ・・・殺す！」
ジョニー「ま、待て、お前ら！」
ババッ！
2人が右手を天に掲げる。
セティ・フリード「ヨエタ アイサ イセニ ノモルナ レワア！！」