オトギ大戦-OtogiWars- 第四幕
『悪に囲まれし神殿』
シュウウウウ・・・・・
最上神殿の500メートル前でレーザーが消滅した。
そして消滅したレーザーから、大きなカプセルが1つ飛んでゆく。
ドガッ!
カプセルが支柱にぶつかり、下に落ちる。
プシューッ
煙を上げてフタが開き、出てきたのは七曜の勇者達である真吾達だった。
真吾「う・・・ここは?」
りな「どうやら着いたらしいよ、呪詛悪魔の本拠地ってやつに」
7人の目の前には神殿の入り口が見える。
かすみ「この奥に・・・呪詛悪魔が・・・・」
ミーコ「何だか気味が悪いよぉ・・・・」
真吾「とにかく中に入ろう」
真吾の言葉に6人は頷き、中に入っていく・・・・・
神殿の奥はしつじの世界の時とは違い、不気味な気配が漂う・・・
ケン「ちっ、早く終わらせて帰ろうぜ」
ましろ「向こうは・・・そんな気は・・・ないでしょうね」
真吾「・・・・・」
真吾達がある程度奥まで足を踏み入れた・・・・その時!
?「ようこそ、七曜の勇者達!!」
奥の方で声がした!
ちえこ「だ、誰かも〜!?」
カチャッ!
ちえこの言葉の後、急に神殿内が明るくなった。
そして7人の目の前には、高台に立つ3人の姿・・・・
真吾「お、お前らは・・・・」
その3人は真吾の夢に出てきた3人だった。
まずはまるで海の男を連想させるような、上半身裸でジーンズを履いたバンダナの男が口を開く。
バンダナの男「海がおののく時、荒ぶる波で正義を示す!海の戦士、クジラのフリードとは・・・
この俺様よぉ!」
次はくの一スタイルのブロンドの女性。
女性「風のように美しく舞い、真空のように敵を斬る!空の忍者、コウノトリのセティ参上!」
そして中央に立つパンクスーツにサングラスの男・・・・
グラサンの男「そして俺が、人間達にケジメをつけさせるべく再び立ち上がった!陸のリーダー、
パンダのジョニーだ!」
真吾「くっ・・・・」
7人に緊張の糸が張り詰める!
呪詛悪魔達「3人そろって!」
真吾「・・・・・へ?」
3人は律儀に決めポーズをとる。
呪詛悪魔達「地球の浄化屋チーム、アースウォーリアーE3(イースリー)!!」
ドオーン!
3人の後ろに爆風が舞い上がる。
ジョニー「フッ・・・・キマったぜ」
7人「・・・・・・・・・・」
満足げな3人に対し、真吾達は緊張の糸がだらーんとたるんでしまった。
りな「・・・・・ださっ」
E3(グサッ!)
真吾「うん、ダサイ」
ちえこ「かっこ悪いかも〜」
ミーコ「寒いよぉ」
かすみ「私も否定できません」
ましろ「冗談は・・・やめて下さい」
ケン「お前ら本当にラスボスか?」
E3「・・・・・・」
3人はかなりヘコんでいた。
ジョニー「こ・・・このワンダフルでエクセレントな登場の仕方をダサイだと〜!?」
怒りをあらわにするジョニー。
フリード「お、落ち着けって、アニキ!」
セティ「あいつらには私達のセンスが理解できないのよ」
ジョニー「そ、そうだな・・・・」
2人に促され、ジョニーは我に返る。
ジョニー「さて・・・お前達が新しい七曜の勇者か」
セティ「ふーん、メガミも今度はまともそうなヤツらを連れてきたみたいだね」
真吾「どういう事や!?」
2人の言葉に真吾が叫ぶ。
フリード「おやおや、知らねぇのか?後継者って言ってんだから、当然お前達の前にも七曜の力の
後継者がいたのさ」
E3は過去について語り始めた。
セティ「かつて、メガミとメシアが世界中の人間を探し回り、選び出した7人と私達との
戦いがあった・・・・」
ジョニー「だが、ヤツらには決定的に足りなかったモンが1つあった・・・わかるか?」
真吾「・・・・・」
ジョニーの質問に真吾達は黙ったままだった。
ジョニー「協調性だよ」
セティ「無理も無いわよね、互いが始めて知り合ったばかりだし、いきなり命をかけた戦いだもの、
いざ戦いが始まると、こっちじゃない、そっちじゃない、やっぱりこっちだって意見が食い違い、
あげくの果てには2・3発撃って脅したら尻尾巻いて逃げ出しちゃった、アハハハハ!」
フリード「結局メガミとメシアは7人の記憶を消し、互いの力を使って俺達を封印した、というワケさ」
真吾「そ、そんな・・・・」
E3の言葉に真吾は戸惑いを隠せない。
りな「でもアタシ達が受け継いだからにはそんな都合よくはいかないよ!」
りながE3を指差して叫ぶ。
ジョニー「ほぉー、言い切れるのかい?」
ジョニーはニヤッと笑って口を開く。
フリード「人間は、裏切るぜ・・・・」
ましろ「裏切られても・・・また・・・信じれば・・・いいんです!」
セティ「人間は醜い争いを繰り返すだけの下等な存在なのよ・・・・」
ケン「人間全てが争いを望んでるわけじゃねえ!そんな事も気付かねえのかよ、バーカ!」
ジョニー「所詮お前達は守護天使、バカな人間どもに味方する、更にバカなヤツらだ・・・・」
ミーコ「ミーコ・・・ミーコ、バカだけど・・・ご主人ちゃまみたいな人、大好きだもんっ!」
セティ「あなた達は勝てないわ、それが運命なのよ・・・・」
りな「運命なんてね・・・・諦めさえしなけりゃ簡単に切り開けるのよ!」
フリード「七曜の力を持ってようがいまいが、お前達は俺様には勝てやしねえ!」
ちえこ「そんなの・・・・やってみなくちゃわからないかも〜!」
ジョニー「忘れたのか?俺たち動物の悲しみに満ちた過去を・・・・」
かすみ「私達は過去には生きません・・・・今を生きる人達の為にあなた達と戦うんです!」
フリード「ア、アニキ・・・・」
フリードが慌ててジョニーに顔を向ける。
ジョニー「・・・・・そこまで決めてるなら、言葉は無意味だな」
セティ「ま、どうせ人間と守護天使なんかに私達の気持ちが理解できるわけが無いとは思ってたしね」
ジョニーとセティの言葉の後、フリードが前に出る。
フリード「いくぜぇ!」