P.E.T.S[AS]

第4話「オトナの女性」

朝、目が覚めるというのはどういう仕組みになっているのだろう。

まあそんな深遠な事なんか考えなくても、いつもは大抵ティコやロックが起こしてくれる。
そうでなくとも目覚まし時計があるし。
しかし、今朝私を起こしたのは、あのよく分からないアニメの着信メロディーだった。

ぴっぴろ〜ぴ〜ろりぴ〜ろぴっろっぴ〜♪

「ふにゅぅ〜。なんだよぉ〜。せっかく人が気持ちよく寝てたのにぃ〜」

毎度ながらに思うのだが、人の安眠をこうも軽々しく妨害する人間の神経って一体どうなってるんだろう。これって度が過ぎると犯罪だと思うんだけど。

ティコ「ご主人様、おはようございます。目が覚めましたか?」
ティコがふすまを開けて私の部屋に入ってきた。
私「おはようティコ。今何時?」
ティコ「6時2分前です」

もしかして私が低血圧だってこと、先生は知らないんじゃないだろうか。いや、それとも知っててやってるのかな。どちらにしたって昨日の約束はしっかり破られている。まったく好き放題だよ。くそぉ。

ロック「美月-! おっは〜!!!」

続いて部屋に入ってきたロックの大声が、まだせっかくまったりと続いている私の眠気を無情にも吹き飛ばそうとする。でも負けるもんか。まだ寝てやる。

ティコ「ご主人様、携帯が鳴っていますが?」
私「あ、それほっといていいから」

携帯に目を見遣るティコに絶対無視を命じると、私は恋しい布団をひっかぶって再び眠りにつこうとした。すると……

ピンポ〜ン♪
……こ、今度は……何?

ティコ「あ、はい」
私「ちょっと待ってティコ!」
ティコ「なんです?」

玄関に向かおうとしたティコが振り向いた。

私「なんか……嫌な予感がする……」

おそるおそる私が目を向けたその玄関先にはなにやら怪しいオーラが……漂っているような気がする。
そもそもこの朝の6時頃に押し入ってくる人物なんぞ最初から決まってるし。

私「ねえ……いい?二人とも、落ち着いて……」
ロック「あ、真純先生おはようっす!」
私「なんで開けるのよぉおおおおおお!!」


Otogi Story Index - シリーズ小説 - P.E.T.S.[AS]