「わたしね、夕焼けって大好きなんだよ」
帰り道、もう完全に日が落ちた、いつもの小川の側の小道を三人で歩く。
夕焼け……それは昔のあの頃を思い出させる。ふたりと一緒に遊んだ、あの頃を……。
ロック「綺麗だよなぁ」
ティコ「あなたにも風情があったんですね」
ロック「たりめーだ」
……
(ふたりとも、仲いいね)
二人はもうけんかはしない。とても嬉しい。
どうしてあの頃二人は争ってばかりいたんだろう?
思い出せない……でも、いいんだ。今となっては……。
ティコ「さて、今日は夕ご飯どうしましょう。夜も遅くなってしまいますし、あり合わせのものでいいですか?」
私「うん、あんまり外食するわけにもいかないし……ほぁあ……」
ロック「あくび?」
私「えへへ、なんか疲れちゃった。お昼まで寝たのに…また眠くなっちゃったよ」
アパートに着いた。眠気に耐えながらカギをポーチから見つけ出し、なんとかドアを開けて中へ入ると……。
ジリリリリリリリリ
ロック「……おい……電話鳴ってるぞ」
ティコ「まさか……」
私「はいはいはいはいはいはい!」
大急ぎで部屋に入り、5回目か6回目のの呼び鈴が鳴ったところで受話器を取った。相手は……。
……
「ええ、そりゃあもう楽しみましたって」
ロック「……」
「でもね先生、今日は……え?おみやげ?……ありませんっ!!!」
ティコ「……」
「もうおかげで眠くて……はいぃ?いや、もういいっスぅ。寝ますねぇ、お休みなさ~いせんせ~えぇ」
電話の声「%$#$%!」
もう電話なんて知らない。おやすみ……。
ふたりは丁重に電話を切って、睡魔に襲われ眠り込んだ私に毛布をかけてくれた。
私、二人に護られてるんだね。
……
ありがとね。
んで、おやすみなさい……。
夕焼けが一番綺麗に見える、夏の終わりの秋の夜でした。