きよく!ただしく!!

呪詛悪魔編 第八話「目覚めし力」

ところ変わって雑貨屋「Evil Cat」。
用事ででている妃皇子に代わって店番をしている千田。
例によって、お店の可愛い小物を見ながら
さっきから中学生ぐらいの女の子が店内で大声で話をしている。

女の子1「わぁ☆これってすっごく可愛くない?ねぇねぇ♪」
女の子2「う〜ん・・・でもお金持ってんの?」
女の子1「え・・・・・もうほとんどお小遣い使っちゃった。」
女の子2「それじゃ買えないよ、諦めな。」
女の子1「でもぉ〜〜・・・・」

女の子が千田のほうを振り返った。

千田「?何か?」
女の子1「あのぉ〜〜〜、まけて下さい。」
千田「え!?い、いやぁ、僕もバイトの人間なんでそういうことは・・・」
女の子2「ほら、困らせちゃダメだよ。」
女の子1「だぁってぇ〜〜・・・」
千田「で、でしたら、またお小遣いがもらえるまでとっときますから
   その時にでも買いに来て下さい。」
女の子1「え♪いいんですか?」
千田「それくらいなら、僕が店長さんに頼んでおきますから。」
女の子1「やったぁ〜〜♪絶対ですよ。絶対買いにきますから。」

そういって女の子は店を飛び出した。

女の子2「ち、ちょっと待ってって。ごめんなさい、また来ますから・・」

そう言い残し出て行った女の子の後を追った。

千田「ありがとうございましたぁ・・・・ふぅ。」

一段落すみ、棚を整理していると妃皇子が戻ってきた。

妃皇子「ただいま。すいません、お店任せちゃって。」
千田「あ、お帰りなさい。いえ、大丈夫でしたよ。あ、そうそう・・・」

千田はさっきの出来事を妃皇子に話した。

千田「すいません、僕が勝手に約束しちゃって・・・」
妃皇子「いえ、かまいませんよ。それじゃこれは奥にとっておきましょう。」

妃皇子は手渡された商品を奥にしまった。

妃皇子「そろそろ、あがってくれていいですよ。」
千田「そうですか?それじゃ・・・あ、雨、降りだしちゃったんですね。」
妃皇子「千田さん、傘は?」
千田「忘れちゃいました。まいったなぁ。」

困っていると・・・・

きよ「おにいちゃぁ〜〜ん☆」

レインコート姿のきよと傘を持った恵がやってきた。

千田「きよちゃん!恵ちゃんも・・・どうしたの?」
きよ「お兄ちゃん、傘持っていかへんかったやろ?
   せやからうち、お迎えにきたんや。」
恵「きよちゃん一人だと心配なので、あたしもついてきちゃった。」
千田「ありがと、助かったよ。
   ちょうど今終わったところだから一緒に帰ろっか。
   それじゃ妃皇子さん、また明日・・・」
きよ「バイバァ〜〜〜イ」
妃皇子「はい、お疲れ様。」

3人並んで家路についた。それを見送る妃皇子。
 
妃皇子「・・・・・気をつけて・・・ね。」


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