元樹「・・・・見事にかかったな。」
妃皇子「ホント、単純な男ね。」
元樹「まぁ、それが僕らが奴をターゲットにした理由だがな。」
元樹はズボンのポケットからライターを取り出し手の上で転がしている。
妃皇子「何でそんなもの使ったのだ?
お前の力なら、ゴミを燃やすなど朝飯前のはず。」
元樹「場所は繁華街だ。あまり目立ったことはできん。」
軽く息をはく妃皇子。
妃皇子「ところで、あいつはどうしたの?」
元樹が冷たい笑みを浮かべる。
元樹「どうしても守護天使に挨拶がしたいといって聞かんのでな・・・」
妃皇子「まさか、あいつらのところに?」
元樹「まぁ、こちらは順調に主を確保できたんだ。
奴がへまをしようが、
僕の立てた計画に支障をきたすことはないだろう。」
妃皇子「しかし万一・・・」
元樹「おまえもかなりの心配性なんだな。
忘れたか?『我らが負けるはずがない』といった自分を。
僕のいうとおりやれば、きっと上手くいく。」
再び浮かべた冷たい笑みに対し、
妃皇子も微笑み返す。しかしその顔の中に愛情は感じられない。
妃皇子「・・・・そうね。我らの力を持ってすればこんなこと・・・」
千田「すいませぇ〜ん、妃皇子さぁ〜ん。
これでいいんですかぁ〜?」
妃皇子「はぁ〜い、今行きまぁ〜す。」
元樹「・・・上手くやれよ。」
妃皇子「誰に言ってるの?」
その場を去っていく妃皇子。
元樹「・・・したたかな女だ。」