パリィィィィィン!
ガラスの割れるような音が響き玉が割れ、きよが中から出てきた。
きよを抱きとめ、強く抱きしめる千田。
千田「きよちゃん・・・・・・」
その後言葉もなく、千田はただきよを抱きしめていた。
元樹が倒れた瞬間に結界が消え、7人は神社の中に飛び込んできた。
まもりとしあんは社の前にいるきよと千田の元へ走り、
サファリ、ユージ、ケンの3人は燃えている芝生の消火活動を始めた。
そしてエイジとよしきは倒れている元樹に近づいた。
エイジ「まだ・・・息があるようじゃな・・・・」
よしき「今のうちに・・・・魔封瓶へ・・・・」
よしきはポケットから小瓶を取り出し、瓶の口を元樹に向けようとした。
その時!!
千田「待ってくれ!!」
きよをしあんに預け、千田が近づいてきた。
よしき「ご主人様?」
千田「ちょっと・・・待ってほしいんだ・・・・」
元樹の前に立った千田。そして、深々と頭を下げた。
千田「これで許してもらえるなんて思ってない・・・・でも・・・一言謝りたい。
悪かった・・・・・」
よしき「ご主人様・・・・・」
元樹が弱々しい声で答えた。
元樹「なぜ・・・・だ・・・・・・・
僕は・・・・・お前を殺そうとした・・・・・・
なのに・・・なんで・・・・・・」
千田「君が生まれた原因は、僕ら人間だ。
僕ら人間の自分勝手な行動のせいで、家族を、自らの命を失った・・
恨みの心を君達に植え付けてしまった・・・・・
これからも僕は罪の十字架を背負って生きていく・・・・
そして少しでも君たちのような犠牲者が生まれないように
努力していくよ・・・・」
エイジ「人間にも、こういう人間もいるんじゃ。
お前も次の世で、こういう人間と巡り会えるといいのぅ・・・」
優しく微笑むエイジ。
元樹「僕は・・・・・忘れない・・・・次の世も・・・・
人間にされた仕打ちを・・・・決して忘れはしない・・・・
どんな世でも・・・・人間がこの世にいる限り・・・・
呪詛悪魔は・・・・また生まれる・・・・・」
元樹の目から涙が流れ出す。
元樹「僕は・・・・天使には・・・・・・ならない・・・・・なりたく・・・ない・・・」
よしき「元樹さん・・・・・・邪気昇天!魔封瓶!!!」
よしきが瓶の口を元樹に向けると
元樹の体が砂と化し、瓶へと吸い込まれていった。