きよく!ただしく!!

呪詛悪魔編 最終話「みんなの想い」

ユージが指差したのは千田が持つ木刀。

エイジ「ひ・・・ひかっとる・・・・」

驚きの色が隠せない様子のエイジ。
確かにかすかではあるが、千田の構えた木刀は黄色く光を帯びていた。

ケン「聖なる光・・・・か?」
しあん「せいなるひかりって?」
ケン「俺達守護天使がマスターを想い慕い、
   マスターを救おうと願う際に生まれる光だ・・・
   マスターを想うバロメータとも言える光なんだが・・・・
   でも、なんで今あの光が・・・・」
よしき「・・・・・きよさん・・・・・ですね。」

よしきの言葉で、6人は社の前にある黒い玉に目を向ける。
闇とも言える黒い玉がかすかに黄色い光を帯び始めている。
そしてその中には、閉じられた目から涙が
あふれているきよの姿があった。

元樹「そんな馬鹿な・・・・
   あの玉に入った時点できよの意識はなくなっていたはず・・・」

元樹もきよの異変に気がついたらしく、顔は困惑の色が濃くなっていた。

よしき「きよさんは・・・ご主人様の事を救いたいんですね・・・
    自らは悪魔となろうとも・・・・疑いの心が芽生えたとしても・・・
    ご主人様を・・・・救おうとしているんですね・・・・・」

よしきの目に涙が浮かんでいる。
他の6人にも目に涙が浮かんでいる。

サファリ「オイ・・俺達も・・・祈ろうぜ・・・・」
ユージ「この結界を貫くことは難しいかもしれないけど・・・」
まもり「我等の主ではないが・・・・・・」
しあん「そんなこと関係ないよ・・・・・・」
ケン「今俺達にできることは・・・・」
エイジ「しなければならんことは・・・・祈ることじゃ・・・・」
よしき「みなさん・・・・・・・」

それぞれが胸の前で手を握り、目を閉じた。
すると一人一人が光を発し始め、
その光が彼等の頭上で一つにまとまった。
そして一直線に結界の中の千田めがけて飛んでいった。
途中結界で進行が阻まれたが、7人の想いが高まり、結界を貫いた。
そして光は千田の木刀を包み、木刀が前にも増して光り輝きだした。
その木刀を両手に持ち、千田は目を閉じて真っ直ぐ下ろした。

元樹「まさか・・・・・そんな・・・・
   認めない・・僕は絶対認めない!!!」

右手を開き、真っ直ぐ千田へ突進する元樹。
目を見開き千田も突進する。

千田「千田一心流究極奥義!
   風塵龍昇剣(ふうじんりゅうしょうけん)!!

すれ違いざまに下ろしていた木刀を振り上げ、斬り上げた。
バシィィィィンッ!!!!!

すれ違いその場に立ち尽くす千田と元樹。
二人とも少しも動かない。
鳥居の前の7人は祈りをやめ、固唾を飲んでその光景を見守っている。
すると・・・・

パキィィィィィィン!!

高い音をたて、元樹の右手の爪が折れた。
その瞬間、元樹がその場に倒れこむ。
千田の・・・守護天使の勝ちである。

ケン「よっしゃぁぁぁぁ〜〜!!」

ガッツポーズをするケン。
手を取り合い喜ぶしあんとまもり。
呆然とするよしきの肩を抱くサファリ。
ユージとエイジは安堵のため息を吐く。

千田「・・・・きよちゃん!!」

社の前の玉に近づき、千田は木刀を振り下ろした。


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