ケン「いつまで自分に嘘ついてんだよ。
・・・確かにお前は人間のエゴで殺されちまった。
いくら恨んでも恨みきれない・・・それはわかる・・・
でもな、思い出してみなよ。
猫として生まれて、一度も良かったって思ったことねえのかよ。」
しあんも歩み寄る。
しあん「あるよね・・・しあん、知ってるよ。
妃皇子・・・ホントは人間大好きなんだよね・・・
頭なでてもらったことも・・・おいしいご飯もらったことも・・
いっぱい・・いっぱいあるよね・・・・なのに・・・」
しあんの目から涙が流れる。
しあん「辛かったよね・・・・泣きたかったよね・・・・
哀しすぎるよね・・・・」
妃皇子の頬にも一筋の涙が流れる。
妃皇子「知ったような口・・・・たたくんじゃないよ・・・」
涙を浮かべた目でにらみ返す妃皇子。
妃皇子「あんた達なんかに私の気持ちなんてわからないわよっ!!
どんなに人間が好きでも・・
どんなに役に立ちたいって思っても・・・・」
胸に手をあてる妃皇子。
妃皇子「ここに恨みの心が・・・憎しみの心がある限り
天使になんかなれないのよ!!!!
だから・・・天使になれないなら・・・・
恨んで恨んで恨みとおして・・・・・・悪魔になって・・・
少しでも・・・・人間のそばにいたかったのよ・・・」
その場に座り込みすすり泣く妃皇子。
よしき「まだ・・・手はあるんですね。」
背後から声が聞こえ、振り返るとよしき・エイジ・サファリ・ユージがいた。
よしきが妃皇子に近づく。
よしき「あなたにも・・・天使になるチャンスが・・・必ずあるんですね。
僕達に、お手伝いさせてください。」
優しく微笑むよしき。
妃皇子「私が・・・天使に?」
あっけにとられる妃皇子。
エイジ「誰でも道を間違えることはある。
でも、お前さんは人一倍天使になりたい気持ちが強い。
その気持ちがあるかぎり、必ず何度でもやり直せるんじゃ。」
ユージ「今度お会いするときは、私たちの仲間としてですね。」
サファリ「すぐに天使になれちまうって、あんたなら大丈夫だよ。」
まもり「・・・歓迎する。」
しあん「良かったね・・・ホント、良かったね・・・妃皇子・・・」
優しい笑みを見せる守護天使の面々。
ケン「な?仲間って、いいもんだろ?」
妃皇子「お前達・・・ありがとう・・・・」
初めて言った、妃皇子の素直な気持ちである。
よしき「では・・・・・・救います・・・・」
よしきがポケットから小瓶を取り出す。
よしき「邪気昇天!!魔封瓶!!!」
瓶の口を妃皇子にむけると、妃皇子の体が砂と化し
瓶の中に吸い込まれていく。彼女の流した涙まで・・・・