きよく!ただしく!!

呪詛悪魔編 第十話「隣人の甘い罠、そして・・・」

千田の部屋。
あたりは徐々に暗くなりつつある。
野菜を切りながら時計を気にする千田。
きよちゃんが出かけて30分以上がたった。

千田「ちょっと遅いなぁ。探しにいこっか・・・・」

包丁を置いて奥に行って、ジャンパーに袖を通したとき
玄関のドアが開く音がした。

千田「おかえり。今探しに行こうと思ってたんだよ、きよちゃ・・」

出て行くと、そこには恵が立っていた。

千田「恵ちゃん、どうしたの?またご飯食べに来たの?」

恵に近づく千田。
と次の瞬間、恵が顔をあげ、それを見た千田は固まった。

恵の目から光が消えていた。まるで死人のように・・・
その目はあの雨の日にあった男達と同じだった。

千田「恵・・・ちゃん?」

千田の呼びかけにも答えず、ただただ千田を見つめる恵。
そしてゆっくりと千田に向かって足を進め始めた。
一歩一歩千田に近づく恵。
なすすべなく後退する千田。
と、千田は壁にぶつかりもう後退できなくなった。
恵はなおも歩み寄ってくる。

千田「恵・・・・ちゃん・・・」

と、急に恵が千田の肩に腕を回してきた。
その腕には、計り知れない力がかかっていた。
引き離そうとしても、強い力で離れることができない。

千田「何を・・・・!!」

千田が言おうとした瞬間、恵の唇が千田の唇と重なった。

千田「・・・・・(恵ちゃん)」

体から全ての力が抜けていく。
これが千田の、そして恵のファーストキスだった。


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