その日の午後、恵が一人で街を徘徊している。
恵「ハァ〜〜・・・・」
どうやら恵は、この間のデートのことを考えているようだ。
恵「ったく、どっかの誰かさんのおかげで
ムードぶち壊されちゃったしなぁ・・・」
ウッ・・・・・だから謝ったじゃん。もう許してよ。
恵「ま、過ぎちゃったことだから別にいいけど・・・・
でも千田君・・・あの時なんて言おうとしたんだろ?」
考えながら歩道を歩く恵。
とそのとき不意に誰かにぶつかる。
恵「っと!ごめんなさい。」
妃皇子「いえ・・・あら、恵さん。」
恵「妃皇子さん・・・こんにちわ。」
妃皇子「こんにちわ。奇遇ね、本当に。今日はお買い物?」
恵「えぇ・・・まぁ・・・」
恵の顔を覗き込む妃皇子。
妃皇子「?何か、悩みでもあるんじゃないの?」
恵「え?!そんな・・・」
心を読まれたようで、一瞬たじろぐ恵。
妃皇子「もしかしたら・・・千田さんのことじゃない?」
恵「えぇ!!な、なんで・・・・」
優しい微笑を浮かべる妃皇子。
妃皇子「やっぱり。ねぇ、よかったらお話聞かせてくれない?
私の家に今から来て、ね。」
恵「え、えぇ・・・」
二人は並んで歩き出した。