ズボンを履き替え、ホールに戻ろうと歩く千田。
千田「そろそろ休憩も終わりだろうなぁ・・・ん?」
聞き耳を立てる千田。
***「ゥゥゥ・・・・・」
どこかの部屋から苦しそうな声が聞こえる。
声をする方向を探りつつ廊下を歩く千田。
すると苦しむ声は弥生の部屋から聞こえていたのだった。
千田「布川先生、どうかしましたか?」
ノックをしても、奥から苦しそうな声が聞こえるだけ。
千田「・・・失礼します。」
意を決してドアを開ける千田。
千田「!!」
薄暗い部屋の奥で白いドレスを着た弥生が倒れている。
千田「布川先生!!」
思わずかけより抱き起こす。すると腹部が真っ赤な血で染まっているではないか。
千田「先生!先生!!」
肩をゆする千田。すると!!!
バキ!!!
千田「う・・・・」
何者かに後ろから殴られ、千田は弥生の上にかぶさるように倒れた・・・
きよ「お兄ちゃん、遅いなぁ・・・」
足をぶらぶらさせているきよ。
恵「はぁ・・・あたしっていざって時いっつもこうなんだよねぇ・・・」
恵はかなりブルーだ。
と、司会席あたりで葉月と文が深刻な顔をしているのにきよが気づいた。
たったったっと走っていくきよ。
恵「あ、ちょっときよちゃん・・」
恵も追う。
文「弥生はまだなの?」
葉月「そろそろ来るとは思うんですが・・・・」
恵「どうかしたんですか?」
葉月「あ、伊手元さん。実は布川先生がまだいらっしゃらないのよ。」
文「もう舞台の裏にスタンバイしないといけないのに・・・どうしたのかしら?」
きよ「うち、呼んでくる。」
葉月「え?」
恵「あたし先生と打ち合わせもしたいですし・・・呼んできます。」
文「それじゃ、お願いしようかしら。」
恵「はい、それじゃ。」
きよと恵はホールを出て弥生の部屋へと向かった。
コンコン
恵「布川先生、伊手元ですけど・・・・」
返事がない。
もう一度ノックしたが、やはり反応ない。
恵「おっかしいなぁ・・・・」
ノブをひねってみると・・・開いた。
きよ「なんや、開いてんやん。」
恵ときよが部屋に入ると・・・・
きよ・恵「!!!」
薄暗い部屋の置くに千田がうつぶせになって倒れていた。
恵「千田君!!」
駆け寄って抱き上げる。
恵「ちょっと千田君!千田君ってば!!」
ほほをたたく恵。
千田「・・・うん・・・・・」
目を覚ます千田。後頭部がズキズキする。
恵「いったいどうして千田君がこんなとこにいるのよ。」
千田「え・・・・あ・・・・う〜ん・・・」
気よ「ち、ちょっと・・・お姉ちゃん・・・・」
きよが震える声で指をさす。
その先には・・・紅く血で染まったドレスを身にまとった弥生が倒れていた。
恵「いやぁぁぁ〜〜〜!!!!!!」
別荘中に恵の叫び声が響いた。