しつじの世界第2セクターパーティー会場。
結局代表で出席したのはよしきだった。
会場には数々の紳士、そしてめいどの世界から来たのだろう、多くの淑女達も集まっている。
よしき「オペラ歌手歓迎パーティー?今日知ったとはいえ、いきなりすぎるんですね・・・・」
よしきに緊張感が高まった。
その頃、ルシーダでは、1人パソコンと顔を向かわせているユージがいた。
ユージ「ケンさん・・・隠密部隊の隊員である事以外にD.Fと何か関わりがあるのでしょうか・・・」
ユージが隊員ファイルや指名手配呪詛悪魔ファイルなどをチェックしていく。
ピーッ! ピーッ!
突如エラー音が鳴り響いた。
ユージ「プロテクトがかかってますね」
だい「ユージお兄ちゃん・・・・」
そばにいただいが不安になる。
ユージ「大丈夫ですよだいさん、こういうのはこうして・・・こうすれば・・・」
カチッ
エラー音が止まった。
ユージ「よし・・・では、キジの、ケン・・・と」
カチッ
ユージの目の前に1つのファイルが現れた。
ユージ「こ・・・これは」
ユージの顔からつうっと冷汗が流れた。
パーティー開始から数十分後、オペラ歌手の歌が始まった。
美しさの中に、どこか悲しみにあふれた歌声・・・・
しかし、よしきは別の感情を感じ取っていた。
よしき(・・・・殺意!?)
カチャッ
突如、背中に銃を突きつけられるよしき。
男「静かにしてもらおうか、イノシシのよしき」
ガタッ
観客達が全員よしきのほうに顔を向ける。
よしき「ま、まさかなんですね・・・」
男「そうさ、ここの客は全員呪詛悪魔だ」
よしき「くっ・・・・」
刑事・政治・法務などの数々を取り仕切る場所、役所の世界。
その世界にそびえる軍事基地、それがD.Fだ。
男「まだまだ体力が足りんぞ!あと1キロ追加だ!」
隊員達「押忍!!」
隊員達を指導する眼帯の男。
彼こそがD.F隊長、雁のギィスである。
ギィス「!!」
ギィスが何かに気付く。
ギィス「よし、そこまで!しばらく休憩だ」
隊員達「押忍!ありがとうございました!」
隊員達が去っていく・・・・・
辺りにギィス以外の気配が無くなり、彼は口を開く。
ギィス「・・・・久しぶりだな」
シュンッ
ギィスの後ろにケンが現れた。
ケン「・・・・ああ」
場所は変わって隊長室、つまりギィスの部屋。
カッ!
ギィスがバーボンを飲み干したグラスを机に叩きつける。
ケン「バーカ、一気に飲んだら体に悪いだろ、ギィスさんよぉ」
ギィス「お前とまた顔を合せている方がよっぽど体に悪い!」
ケン「ひっでー言われようだな」
ギィス「フン、死人が何を言ってもムダだ」
ケン「生きてるよ、バーカ」
ギィス「お前は3年前に私が殺したんだぞ!わかってるのか?」
ギィスの言葉にケンは思わず顔をしかめる。
ギィス「わかってるさ・・・・」
ギィスの一言に顔を上げるケン。
ギィス「守護天使になったと聞いた時、お前が誰に助けられたのかぐらいな・・・・」
ケン「・・・・ワイルドギース」
ギィス「やめろ!私をコードネームで呼べるのはあの男だけだ!」
ケン「カラスのクロウザーか?」
ギィス「ああ・・・・」
しばしの沈黙・・・・
そして、ギィスが先に口を開いた。
ギィス「・・・・それで、何が知りたいんだ?その為にここへ来たのだろう」
ケン「ガチョウのガズー・・・・」
その一言に一瞬顔が引きつるギィス。
ケン「生きているのか?」
ギィスはただ、グラスを持つ手を震わせているだけだった・・・・・
その頃、パーティー会場では未だ呪詛悪魔達に囲まれているよしきがいた。
男「朝に送信したひつ爺のメールも、カメレオンの呪詛悪魔が化けた偽者だ」
よしき「・・・・・」
よしきの顔からつうっと冷汗が流れる。
?「震えているな」
男の声が聞こえた。
よしき「!?」
いつの間に立っていたのだろう、よしきの目の前には白髪長身の男が立っていたのだ。
よしき「あなたは・・・一体?」
白髪の男「・・・・ガズー」
よしき「!?」
(後編につづく)