「……………………ったーく、昇格試験前日に災難だったわねぇ」
集まった5人は、スレーヌ寮で休んでいた。
「メガミ様、昇格試験って、明日だったんですか?」
「ん? そうよ。ま、早い方のが良いでしょ?」
「はい…。それにしても、なんで襲われているって分かったんですか?」
「あ、それね」
メガミ様はさっきからちょろちょろと動き回っているてゅきをひょいと持ち上げ、
「この子が教えてくれたのよ。尤も、分かるのに時間かかったけどね…」
メガミ様は苦笑いを浮かべる。
「どういう事です?」
「この子のいう事、理解するのに苦労したって事。典型的なお子様だわ。はぁ…」
メガミ様はへたり込んでしまった。
「あの…」
今まで眠っていたリリューが起き上がり、話し掛けてくる
「今度の件、ありがとうございました…。その、なんとお礼を言っていいか…」
「ああ、気にしないで。D・Fとしては一応任務だしね。あなたも…かな?」
「あ、はい。ご主人様の許可を貰って、時折D・Fに戻ってるんです。改めて、私はペルシャネコのリリュー。1階級守護天使です」
ぺこりと皆に挨拶をする。
「ぼくはクロメダカのてゅきです」
同じくてゅきがぺこりと頭を下げる。
「……私はもう行くわ…。無断で外出していたんだから…」
「あら、でもその分いい報告出来そうじゃないの。魔神レベル3のゴーストなんて、滅多にお目にかかれないんだから」
「そう、ね…。なんて言ったかしら?」
「妖怪・『白骨魔神戦騎』よ」
「…本当にそういう名前なの?」
「違うわよ。あたし☆が勝手に付けただけ」
サキは「またか」という顔で呆れていたが、
「…ま、いいわ…」
サキはその場を去ろうとする。
「あ、ちょいとお待ち!」
慌ててメガミ様が止めに入る。サキは黙って振り向いた。
「明日、正午1時間前にスレーヌ寮の食堂に来てね。絶対よ!約束よ!」
サキは暫く「?」な顔をしていたが
「分かったわ…。11時ね」
そう言い残し、スレーヌ寮を跡にした…。
「と、言う事でせかい。明日の昇格試験は…」
「ま、まさかさっきのサキさんと戦うとか…」
せかいはおそるおそる意見するが、それを聞いたメガミ様は
「あははっ!まさかサッちゃんと戦わせて、勝ったら昇格…なんて思ってたの?」
「ち、違うんですか?」
「当たり前でしょ?もっと簡単なものよ。あ、でも前以上に厳しくなるから注意してね」
「あの…。どういう内容なんですか?」
「せかいがいつもやっている事よ」
「はぁ…?」
せかいはその意味が良く分からなかった…
「にしてもてゅきは静かね……って、あの子と遊んでるわ…」
てゅきはリリューと一緒に遊んでいた…。
「ま、今日はゆっくりと休みなさい。明日は早いわよ!」
「は、はい!」
「てゅき、戻るわよ」
「ぼく、もっと遊びたいな♪」
「残念だけど宝玉に戻る時間よ。仮転生であまり無理をすると、今度は転生出来なくなるわよ?」
「はーい!」
てゅきは素直にメガミ様の後をついて行く……
「ん?そういえば、てゅきはいつ8階級になった訳?あたし☆は昇給させた覚えはないわよ?」
「んとね。きりんちゃんが合格させてくれたの」
「そう言えばそんな事言ってたわね。キリンのきりん?」
「そうだよ」
「キリン………………麒麟?まさか、想像上の動物が…ね…?後でレポート書くから、もう少し詳しく教えてね」
「うん、いいよ」