転生時より戦いに明け暮れ、力を増大し続けてきた天神会最強の守護天使。
元は彼も自分の主人に仕え、普通の守護天使としての日々を送っていたが、ある事情により同居生活を断絶。以後、実妹である「アズマ」と共に天神会に加わる。
天神会の天使達は主に、局内の管理を司る『神官』、その下で活動する『巫女』、そしてその両者を守るための『武人』の三つの役職に分かれており、カムドはその内の武人にあたる。
カムドはある事情から通常の守護天使をはるかに上回る強靱な肉体を獲得しており、その強さから組織内でも一目置かれる存在だった。しかし私心を優先し規律に背く言動により、罪人として武人の中でも蔑まれ、長らく汚れ役ばかり請け負う日々が続いていた。
ある日、希代の巫女とうたわれる妹のアズマが特務機関フェンリルの謀略により、同機関へその身柄を奪われてしまう事件が発生。アズマに秘められた、通常の巫女を遥かに上回る膨大な霊力の戦闘応用が目的だった。それを知ったカムドは妹をフェンリルから奪還するため、手をこまねく天神会に見切りをつけて単独行動を開始。
彼は掟を破り、数万年の長きに渡って天神会の地下深くに眠る、禁断の邪剣の封印を暴いてしまう。そして、動揺を隠せない神官たちに、彼は異例の提案をするのだった。
自分もフェンリルに入隊し、内から組織を破壊すると……。
■聖剣の影-『殲魂』(せんこん)
輪廻転生を司る聖剣の一つ『奉魂』(ほうこん)と相対する負の存在。近づく者の命と魂を殺し、輪廻転生すら許さず存在の完全消滅を行う最悪の邪剣とされる。
本来は祭器であり、武器としては適した大きさ・形状ではないが、あらゆる存在を一撃で消滅させられるため、カムドの奥の手として利用されている。
■ボディーアーマー
フェンリルと天神会によって共同開発されたカムド専用のアーマー。
頭部を除く体全体をすっぽりと覆い、銃弾を含めたありとあらゆる重攻撃を防御可能。このアーマーを纏い、敵の集中砲火をかいくぐって懐に切り込むのがカムドの基本戦闘スタイルとなる。
ただし、アーマーがない状態でも、カムドの体は重火器を受け付けないほどに固く、このアーマーの必要性を疑問視する声も上がっている。
大昔、めいどの世界・しつじの世界が生まれた当初から存在していた、天界の中でも最古の組織。
地上で死んだ動物の魂を天界に導き、守護天使として転生させる輪廻転生の仕組みを管理・維持するという重要な役割を担っている。
天神会に所属する守護天使たちの主な任務は以下の通り。
天神会の役職は主に以下の3つに分かれている。
天神会の設立当初は女性守護天使の地位は男性守護天使と同等であったが、人間界の文明が男性優位になるにつれ、天神会もそれにあわせいつの間にか男性の役職の方が地位が高くなっていった経緯がある。
最近では人間界において女性の社会進出・地位向上が進んできたため、天神会でもそれに合わせようという動きが巫女達を中心にみられるが、神官たちの反対にあいあまりうまくいっていないようである。
ちなみに、カムドは、アズマをあくまで有能な巫女としてしか扱わず、彼女の能力と意志を私物化し続ける天神会にも良い印象を持っていない。
彼はアズマの失われた記憶、感情を取り戻し、そしてアズマを縛り続ける「天命」から、彼女を解放しようと模索し続ける事になる。