真吾「ふう・・・・」
神殿近くの階段で休息を取る真吾。
真吾「・・・・・ん?」
真吾は神殿の支柱のそばに2つの人影を見つけた。
真吾(あれは・・・メガミ様とメシア様やないか)
真吾は岩陰に隠れて様子を見る。
2人は何か会話をしているようだ。
メシア「なぜ聖者を連れて来るよう命じなかった?」
メシアがメガミに向けて問い詰める。
その様子は真剣そのものだった。
メシア「いかにあの7人が七曜の力を持つとはいえ、正直私には納得がいかん!」
メガミ「メシア・・・・あなたの他者の力を認められない心、私にはよくわかります」
メガミも真剣な顔でメシアに言葉を返す。
メガミ「なれど、聖者様はまだ自分の意思で力を解放する事は出来ないのです、
今となってはあの7人しか、頼れる者はいないのですよ」
メシア「たかが人間に我らの未来を託すのか?バカげている!そんな事だからあの時も・・・・」
メガミ「メシア!!」
一喝するメシアに負けじとメガミはメシアを睨み返す。
メガミ「メシア、あなたはどちらの味方をしているのですか?」
メシア「くっ・・・・」
メガミ「信じてあげてください、彼らの事を・・・・」
真吾(メガミ様・・・・)
真吾は静かにその場を立ち去った。
真吾「・・・・・」
2人の話を聞いた後、真吾は1人思い悩んでいた。
オレなんかでよかったのか?
オレはどこまで出来るんだ?
今、他のみんなも色々と悩んでいるだろう。
しかし彼女達は守護天使、オレは人間・・・・
もし足を引っ張ってしまう事になったら・・・・
わかっていても考えてしまう事に、真吾は無償に腹を立てていた。
?「おびえているわね・・・・」
真吾「!!」
突如、背後から声がしたので、真吾は慌てて後ろを振り向いた。
そこには銀髪の女性と、その女性のそばに立つ1人の男性の姿があった。
真吾「あ、あなた達は?」
真吾が2人に尋ねる。
銀髪の女性「私は・・・白鷺のサキ・・・・」
男性「俺は伝書鳩のレオンだ、よろしく頼むぜ」
真吾「は、はい・・・・」
自己紹介の後、レオンが口を開く。
レオン「すまねぇな」
真吾「へ?・・・わあっ!」
ピキイイイン!
突然、真吾の体が白く輝きだした!
真吾「な・・・何を?」
サキ「テレポートをかけさせてもらったわ・・・・行き先はまだ決めてないから発動はしない・・・・」
レオン「だが、帰りたいと思えばすぐテレポートが発動するから気を付けろよ」
真吾「!?」
逃がさないつもりか!?
真吾は直感した。
いや、それなら体を縛り付けるはず・・・・・
真吾「何が望みや?」
真吾は口を開く。
サキ「私たちの話に付き合う・・・・それだけでいいわ」
真吾「・・・・・・・・・・」
真吾はこくりと頷いた。
そして、サキがそっと口を開く・・・・
サキ「あなたの気持ちはわかるわ・・・・今、あなたは大きな不安にかられている」
真吾「!?」
サキ「このまま帰っても・・・・私達は止めはしないわ・・・・でももし私があなただったら、
この戦いに参加する覚悟を決める・・・・」
真吾「な・・・・」
真吾はサキの強大なプレッシャーにつうっと冷汗を流す。
サキ「今、あなたは色々な事を思い、迷っている・・・・でもこれだけは言っておくわ」
サキがキッと目を細める。
サキ「神が人に特別な才能を与えるのは・・・・それを使え、という事なの・・・・
あなたには呪詛悪魔と戦える力がある・・・あなたには神から授けられた力と・・・・勇気と・・・・
仲間がいる・・・・」
サキはキッと細めた目を元に戻す。
サキ「その3つがあれば・・・・あの3人を倒す事も不可能じゃないわ・・・・・」
真吾「・・・・・・」
真吾は何も言わなかった・・・・いや、言えなかった。
サキ「メガミ様は・・・みんなは・・・・希望の光を求めている・・・・その光に導くのも、
絶望の闇に追いやるのもあなた次第・・・・・」
サキはくるりと真吾に背を向けた。
真吾「サキさん・・・・」
サキ「イヤなら・・・・もう帰ると思えばいいわ・・・・」
真吾「・・・・・・」
真吾は何も言えなかった。
だが、真吾はこれだけは確信していた
真吾「みんなを見捨てるくらいなら・・・・死んだ方がマシや!!」
パアン!!
真吾がそう叫んだ瞬間、真吾を包んでいた白い光が消滅した。
レオン「そうか、決心したんだな」
今度はレオンが話を続ける。
レオン「よし!ならまずは信じるんだ、誰もお前を止める事は出来ない、そして、お前の守護天使達を
信じてやれ、お前達7人ならどんな敵にだって負ける事は無いんだ、いいな!」
真吾「は・・・はい!!」
真吾は返事を返す。
レオン「それと・・・俺達の事は心配するな、余計な事を考えると集中できないぞ」
レオンは真吾に忠告をかけた。
真吾「・・・・・はい!」
サキ「もうすぐ作戦開始よ、急いで・・・・・」
シュウウーンッ!!
2人はテレポートでその場から姿を消した。
真吾「・・・・ありがとう、サキさん、レオンさん!」
真吾は神殿へと走っていった。