Legend of Quel

第三部(完結編) 第10話

G3‐XX「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

頭を抱えながら、脳裏の悪夢に激しく怯えるG3。

G3‐XX「......ま、まさか......俺が、るるを......俺のこの手で...るるを......」

全身を震わせ、はあはあと肩で息をしながら、

G3‐XX「そ...そんなはずはない!!!俺がそんな...そんな恐ろしい事をするはずが......」

しかし、言葉とは裏腹に夢魔の世界での出来事を鮮明に思い出す。
自分の手で葬った骸の山、自分の手で焼き払った荒野。そして、今度は最愛の人をもその手にかけるかも知れない恐怖を......

G3‐XX「くっそおおおおおッ!!!!!超変身!!!」

再び超変身を試みるが、やはりエグザイズにはなれない。

G3‐XX「超変身!!!...超変身!!!...超変身!!!!!」

G3‐XYZとはそもそも、己の中に潜む戦闘生物の力を小出しにしたものである。
だが、今のG3はその『戦闘生物』に対して恐怖心を抱いている。それゆえ、超変身が阻まれているのだ。

G6‐オメガ「どうした。超変身するんじゃなかったのか?だったら俺が見本を見せてやろう。」
G3‐XX「!!!!!」

G6の意外な言葉に驚くG3。

G6‐オメガ「そう...お前が超変身するのと同様、俺もまた超変身するのだ。」
G3‐XX「何だと!!!まさかお前も......!」
G6‐オメガ「いや、お前のような戦闘生物は天界の連中にしか作れん。
      その素体たる条件のうち最も重要なのが『無償の愛』。復讐鬼が絶対に持ち得ないものだからな。」
G3‐XX「無償の愛...?」

聞いた事もない話に一瞬戸惑うG3。

G6‐オメガ「俺の超変身メカニズムはお前とは少々異なる。拘束具であるお前のアーマーとは違って、
      俺のは増幅装置みたいなものだ。こんな事まで教えてやる俺って何て親切なんだろう。
      読者ども、たっぷり感謝せえよ。」

ポーズと取り始めるG6。自分の左腕を前に突き出すと同時にその上に右手を添えるようにした後、左拳を腰に、右拳を右肩の前へ移す。

G6‐オメガ「超変身......!!!」

バチッ!!!バチバチバチバチッ!!!!!
掛け声と共にG6の全身に黒い電流が走り、無機的なアーマーが有機的に変形していく。

G6‐オメガ「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

激しく猛り狂うG6。その圧倒的な勢いは、G3‐XYZにも匹敵していた。やがて電流が収まると、恐るべき力をみなぎらせたG6の姿が...

G3‐XX「......お、同じだ...俺のエグザイズと...」
超変身G6「これが俺の超変身、G6‐オメガZだ!お前が超変身できないのならば、勝負あったな。」

そう言いつつG6が手をかざすと、G3の体に爆発が起こった。
バグオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!

G3‐XX「ぐはああああああッ!!!!!」
爆風の衝撃に思わず膝をつくG3。G3のアーマーに爆風などの余波を抑える機能があるからよいものの、
もし標的がG3でなかったら、この時点で地球は無数の星と共に宇宙の塵となっていただろう。
さらに数発追撃が来る。
バゴオオオオオオオオオン!!!!!バゴオオオオオオオオオン!!!!!

G3‐XX「ぬうううううううッ!!!!!」

G3は爆風に耐えながら後に数歩下がって中腰になり、技の体勢に入る。

G6‐オメガZ「む?何かするつもりか。無駄無駄。」

G3はG6に向かって走り出し、ジャンプして一回転、ストラグルキックを放つ!!!

G3‐XX「どわりゃああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

グワシイイイイイイイン!!!!!

G3‐XX「何イイイイイイッ!!!!!」

何と、G3のキックはG6に軽々と受け止められていた。

G6‐オメガZ「そらよおおおおッ!!!!!」

G3を弾き飛ばしたG6は、その勢いでG3に向かってラッシュをかける。

G6‐オメガZ「ぎっしぇああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

G3‐XX「ぐあああああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!!!!!!」

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!!
全身のアーマーを打ち砕かれ、地面を砕きながら数キロ先まで吹っ飛ばされていくG3。
頭部のマスクには亀裂が入り、胸部ユニットも激しくへこんだ。

G3‐XX「......お、俺は...戦っては...いかんというのか......ガフッ...!」

G3の意識はそこで途絶えた。

G6‐オメガZ「さて、ガルーダの奴はうまくやったかな。」

そう言ってG6はテレポートで去っていった。


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