Legend of Quel

第二部(オリキャラ編) 夢魔の世界編

Rynex「じゃあ、早速連絡を...」

RynexがG3に連絡を取ろうとしたその時、何やら怪しい人影が牢屋の前にやってきた。

人影「おい、そこの今日来た夢魔、出ろ!」
Rynex「えっ...!?」

人影をよく見ると、スッポンのような姿をした怪人であった。Rynexが気を失う直前に見たのと同じ固体である。

ステュクス「あっ、あいつは!」
リーザ「私達をさらった復讐鬼、バルゴ...スッポンのバルゴよ!」
バルゴ「感じる...お前には、他の夢魔よりもはるかに大きな魔力を感じる。
     先ほどここに閉じ込めた後、調べたから間違いない。こりゃ相当の魔力を
     抽出できそうだな。」
Rynex「...私をどうするつもりなの?」
バルゴ「これからお前を実験室へ連れて行き、そこでお前の夢魔の力をいただく。
     その力を俺の復讐鬼としての特性で増幅したうえで魅了してしまえばどんな
     奴だって敵じゃない、ヘヘヘヘヘ。」

そう言い終わらないうちにRynexは、用心のために持ってきた通信機でG3に知らせようとするが、それに気づいた怪人に腕を掴まれてしまう。

Rynex「あああっ...!!!」
バルゴ「おいたはいかんぜ。さあ、一緒に来てもらおうか!」
ステュクス「やめろ!Rynexを放せ!!!」

そう言ってリーザとともに怪人に組み付くステュクスだが、あっさり弾き飛ばされる2人。

Rynex「ステュクス!リーザ!」

怪人は、Rynexの腕を引っ張って無理やり牢屋から連れて行ってしまった。
なお、通信機は没収&破壊され、他の手荷物や隠し持っていたアイテムは最初に捕らえられた時に既に没収済み。
したがって、G3と連絡を取る事はできない。

 

G3‐XX「ぬおおおおおおおおおおおおッ!!!!!!!このムカツキは一体
     何だ何だ何だ何だ何だ何だ何だ何だ何だ何だ何だ何だ何だ何だアアアア
      アアアッ!!!!!!!」

いよいよ胸騒ぎが頂点に達したG3。まるで、野性のカンでRynexの危機を察知してでもいるかのように...

G3‐XX「くそだりゃああああっ!!!!!こんな所でぐだぐだ言っててもしゃあねえ!
      ギャリド!グランチェイサーを出せ!!!」

てなわけで、Gストライカーから発進していくG3のグランチェイサー。目的地は勿論、Rynexの故郷、夢魔の世界だ。

G3‐XX「たしか路地裏にワープゲートがあるって言ってたよな、あいつ。」

グランチェイサーで走っていると、前方に何やら女性2人が談笑しているのが見えた。
買い物の帰り道か何かでばったり会ったと思われるカイコのまゆりとフェレットのかすみである。
おっとりした者同士気が合うのだろう。もっとも、まゆりはたまに恐るべき豹変ぶりを見せてくれるが(特に夢カル27話^^)
ブウウウウウウン!!!!!
G3はバイクに乗ったままジャンプして2人を飛び越え、着地してそのまま走り去っていった。
きょとんとするまゆりとかすみ。

まゆり「......???い、今のは一体...?」
かすみ「もしかして、エレナさんが言ってた青い人...?」

G3が更に進んでいくと、Rynexが通ったと思しきワープゲートを発見。すぐさまグランチェイサーで突っ込んでいく。

G3‐XX「Rynex、待ってろよ...」

 

 

夢魔の世界に到着したG3。その寂れた風景から、ただ事ではないと悟った。

G3‐XX「やはり何かあったな...よおし、まずは手近な夢魔を探し出してRynexの
      事を聞こう。」

辺りをグランチェイサーで走りながらマスクに内蔵されたサーチスコープで調査を始めるG3。
やがて夢魔の気配を感知した。それも2人分。

G3‐XX「地下か!?それもかなり深い...どうやら地下に囚われているようだな。
      GS‐03、GA‐04、アクティブ!」

グランチェイサーのウェポンコンテナから超振動ソードGS‐03とフック付きワイヤーユニットGA‐04を取り出し、
GA‐04の先端にGS‐03を取り付けそれを右腕に装着。すると、GS‐03が高速回転を始めた。これで地面を掘るドリルの出来上がり。
ギュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン......!!!

G3‐XX「熱血といえばドリルだぜゴルァ!!!!!」

そう言いつつ地面にドリルを押し当てると、腕からあっという間に地面に吸い込まれていった。
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!
地面をぶち割り、岩を砕きながら地中を突き進むG3。やがて広い空間に出た。

G3‐XX「どうやらここに夢魔がいるようだな。」

G3が辺りを見回すと、何やら牢屋のようなものを見つけた。中に2人囚われているようだ。すぐさま牢屋の方へ向かい、

G3‐XX「おい、お前ら、この世界の住人か?」
リーザ「えっ?何、何?」
ステュクス「あ、あなたは...?」

腕にドリルをつけた青い鎧の男が突然目の前に現れて一瞬戸惑う2人。それに構わずG3は左の拳を振り上げ、牢屋の扉を叩き割る。
それを見て2人は直感で悟った。この青い男こそ、Rynexの仕えている相手だと...

G3‐XX「聞きたい事がある。Rynexという夢魔がいるんだが、知らんか?」
ステュクス「やはりあなたが......Rynexは、さっきまでここにいたんです。」
G3‐XX「何!?」
リーザ「実験室へ連れて行かれたわ。そこで魔力を奪い取るつもりよ、奴らは。」
G3‐XX「奴ら...まさか復讐鬼じゃねえだろうな。」
ステュクス「はい。復讐鬼、スッポンのバルゴ。僕達夢魔の魔力を戦闘に利用しよう
       としているんです。ある日、大勢の怪人を引き連れて夢魔の世界に攻めて
       来たのがあいつだった...」
リーザ「私達の仲間はみんな実験室に連れられてしまったわ。Rynexも、その両親も
     ...」

固く目を閉じ、体を振るわせるリーザ。

リーザ「お願い!Rynexを助けて!!!私達夢魔を助けて!!!あなたならきっと
     何とかしてくれるって...Rynexが......ううっ...」

涙ながらに訴えるリーザ。それを見てステュクスも、

ステュクス「僕からもお願いします!Rynexは、僕達の大切な親友なんです!」
G3‐XX「フン、言われんでもそのつもりじゃい!!!
あそこに俺がドリルで掘った穴がある。お前らはそこを通ってとっとと脱出せいや。」
ステュクス・リーザ「は、はい!」

2人は穴に向かっていった。

G3‐XX「しかし、大勢の怪人を引き連れたって割にここに怪人が全然いねえのは
      どういう事だ? 実験室とやらにかかりきりになっているのか?」

G3は、実験室を探しに地下基地の捜索にあたった。


ここは実験室。外にはバルゴの部下のスッポン怪人が多数配備されていた。バルゴに連れられたRynexが見たものは...

Rynex「!!!!!」

あまりに凄惨な光景に目を疑うRynex。
大勢の夢魔が怪しげな装置をつけられてカプセルに押し込められていた。
カプセルは1人に1つずつあり、夢魔の中にはRynexの両親の姿もある。

Rynex「と、父さん...母さん......みんな......!」
バルゴ「こいつらの魔力を吸い上げ、相手を魅惑する力に変える研究をここで進めて
     きたのだ。」
Rynex「......ひ、ひどい......!!!ひどすぎるよッ!!!!!!!」

普段物静かなRynexにしては珍しく、目に涙を浮かべながら憤りの感情を露わにする。

バルゴ「だが、それも今日で終わりだ。なぜなら、お前がいればこいつら全員よりも
     はるかに高い魔力を得られるからな。」
Rynex「そのために私を...」
バルゴ「もっとも、お前の魔力の高さがわかったのはあの牢にぶち込んだ後だった
     がな。」

ブーッ!ブーッ!ブーッ!ブーッ!(警報が鳴る)

バルゴ「ムッ、何事だ?」

そこへ部下のスッポン怪人がやってきた。

部下「バルゴ様、侵入者です!この地下基地に侵入者が現れました!」
バルゴ「何ィ!?」
部下「既に基地の4分の3が壊滅状態、兵隊の大半が、青い鎧の人物によって倒さ
    れた模様です!」
Rynex「えっ...!?ま、まさか......!」
バルゴ「もしや噂のあの男か...チッ、仕方ない。ゼネス、ここの夢魔どもと侵入者
     はお前に任せた。

俺はこいつを連れて一旦地上に出て体勢を立て直す。」

ゼネス「お任せください。」


しばらくして、実験室の前にやってきたG3。
サーチスコープには微弱ながら生命反応が多数あった。おそらく、捕われた夢魔達がここにいるのだろう。

G3‐XX「ここか、実験室は。ここにRynexがいるのか?」

そう言って辺りを見回してみると、一匹のスッポンのような怪人が目に映った。

ゼネス「フフフ、貴様が噂のG3‐XXとかいう奴か。」
G3‐XX「てめえ!Rynexをどこへやった!!!」
ゼネス「あの夢魔か。あいつは、我々のためにその魔力を捧げるのだ。夢魔の中でも
     随一の強大な魔力をな!」
G3‐XX「ケッ!話になんねえな。ぶっ飛ばしてやんぜゴルァ!!!!!」

性格が破綻しまくった復讐鬼相手にまともな話など成立するわけがない。
G3は、右腕のGA‐04をはずしてGS‐03だけを装備し、構えた。

ゼネス「ククククク...貴様とまともにやりあってもかなわん事くらい承知済みだ。
     だがな、これでどうだ!!!」

そう言うとともに、ゼネスの全身に人の顔のようなものが浮かびあがってきた。

G3‐XX「何ィッ!?」

驚くG3の前で、ゼネスの腕、足、胴体、甲羅が瞬く間に罪のない人々の顔で覆い尽くされていく。

ゼネス「驚いたか!実験室にいた夢魔の連中の魂を取り込んだのだ!

下手に攻撃すればこいつらの魂はたちまちあの世へ飛んでいくぞ。」

G3‐XX「(Rynexの姿はないようだな...)フン、だったら魂の貼り付いてない頭を
      狙えば済む話じゃヴォケ!!!」
ゼネス「フハハハハハ!!!バカめ、もしそうすればやはり魂があの世へ行くよう
     プロテクトをかけているのだ。これで貴様は、私を倒す事はできん!
     こいつらがどうなってもかまわんというなら話は別だが。」

ゼネスは、G3の言葉を予測していたかのように得意げに答えた。

G3‐XX「何かどっかであったな。こんなシチュエーションが...」

そう言ってG3は、以前天界で葬った悪どい神の事を思い出す。

ゼネス「これで貴様も最期だ!覚悟しろ!!!」

そう言って戦闘体勢に入るゼネスを前に、GS‐03をはずしてGA‐04を構えるG3。
ドグオオオオオオオッ!!!!!
ゼネスが口から撃ってくる強力なメガ粒子砲(のようなもの)をGB‐09で防御し、GA‐04のフック付きワイヤーを射出するG3。
バシュウウウウウウウウッ!!!
ワイヤーが怪人を縛り上げていく。

ゼネス「ヌウウウウッ!!!う、動けん...!」

G3は、ワイヤーを引っ張って怪人を横転させ、GA‐04を側の壁に突き刺す。
そして左の拳を腰に置き、右手を自分の左目の前に突き出してゆっくりと右の方へスライドさせた。
そう、あの超強力形態G3‐XYZ(ジースリー・エグザイズ)への変身ポーズである。
エグザイズの力を以ってすればプロテクトなど容易く解除できるだろう。

G3‐XX「超変身!!!!!」

バチッ!!!バチバチバチバチバチバチッ!!!!!
全身に黒い電流が激しくほとばしり、青いボディが有機的に歪んで魔神の姿へと変貌を遂げた。

ゼネス「ムッ!?変わった?」
G3‐XYZ「どわりゃああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!」

ビキイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!!!!!!!!
エグザイズに超変身したG3が、神の拳をゼネスにぶち込む!!!

ゼネス「な...何イイイイイイイイッ!!!!!」

何と、ゼネスの全身を覆っていた人々の魂が解放され、実験室の中にある肉体へと戻って行く。
(なお、魔力を吸い取る装置は既に電源を切られ作動していなかった)
それと同時にゼネスの全身に亀裂が走り、肉体が崩壊していく。

ゼネス「そ...そんな、馬鹿なアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」

ガラガラガラガラ...
ゼネスは、まるで砂で作った山のように崩れて消えた。

G3‐XX「ぐはっ...!!!うぐえっ!ゲホッ!ゲホッ!」

超変身を解いた瞬間、黒い血を吐きながらその場で突っ伏すG3。
生命力の高い夢魔達が仮死状態にすぎなかったとはいえ、
魂を戻し肉体を蘇生させるという大技を繰り出したために、その反動がきてしまったのだ。
肉体が仮死状態にすぎなければ、魂を戻すのは一度死んだ者に比べてまだ容易な方ではある。
しかし、今回はその数があまりにも多かったため、負担も相当なものとなった。
更に、実はこちらの方が深刻なのだが、復讐鬼の体内に取り込まれた魂が瘴気を浴びてしまい、
それによる悪影響を取り除いた分余計に体力を消耗してしまった。これでしばらくは超変身できないだろう。
よろめきながらも、来る時に掘った穴を伝って地上を目指すG3。

G3‐XX「ぬうう...き、きっとRynexは...地上にいるに違いねえ...俺の野性のカンがそう言ってるぜ!!!」


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