Legend of Quel

転生編

さいはての地でたたずむクゥエル。全身汗だくで息をはずませ、恐怖に打ち震えていた。

クゥエル「......こ、こんな...こんなはずじゃ、なかったんだ......」

ひざをがっくり落としてそう呟いた。

クゥエル「ダメだ!こんなんじゃ、あいつを...るるを守れない...!
     今の俺じゃあ守るどころか、この手で何もかも壊してしまう...
     下手すると、この世界、いや、宇宙をまるごと...そんな気がする......」

これは決して誇張ではない。究極の戦闘生物にはそれだけの力があるのだ。クゥエルはその事を直感的に悟っていた。

クゥエル「畜生!!!どうすれば...どうすればいいんだ!!!!!」

膝をつき、拳で地面を叩くたびに地面が轟音を立ててめり込んだ。クゥエルの目から落ちる大粒の涙が地面を濡らす。
しばらくの後、何者かが声をかけてきた。

???「あのう...」
クゥエル「!?」
???「あなた、クゥエルさん...ですよね?」

その人物は、ショートカットの茶髪で、実に美しい...というよりも可愛らしい顔立ちをしており、
年齢はおよそ14〜5歳くらいであった。外見的には少年のようでもあり、少女のようでもある。
どちらかというとボーイッシュな美少女に近い感じだが、パッと見ただけでは性別のわかりづらい容姿だった。

クゥエル「お、俺の事を知ってるのか...だったら話は早い。俺には近づくな!今の俺は何をしでかすかわからんぞ! 自分で自分をコントロールできなくなってるからな!わかったらとっとと帰れ!!!」
???「ええ、もちろんその事も知ってます。実は、そんな悩みを解決するいいものを持ってきました。」

そう言ってその人物は、何やら黒いジャケットと銀色のベルト、青いマスク、バックパック、
それに胸や手足の青い外部装甲などの装備一式を地面に広げた。

クゥエル「これは?」
???「私が開発した強化装甲服です。いわゆるパワードスーツというやつですね。
これには拘束具として理性を保つ機能もありますから、今のあなたにはうってつけだと思いますよ。」
クゥエル「......なぜそんなものを俺に?」
???「私は永い間お仕えする方を捜し求めてまいりました。そして、遂に見つけたのです。それがクゥエル様、あなたです!」
クゥエル「俺に...仕えるだと...?」
???「はい!おっと、申し遅れました。私は夢魔の末裔、Rynex(ライネックス)と申します。」
クゥエル「夢魔の末裔?って事は...」
Rynex「はい。私、まだ性別が決まってないんです♪」

早速、装甲服を装着してみるクゥエル。黒地のスーツに青い装甲をまとい、
2つの赤い瞳をマスクに輝かせるその姿は、まさしく勇者と呼ぶに相応しいものであった。

Rynex「よくお似合いです。デザインのモチーフは、あなたもよくご存知の特撮番組「仮面ライダーアギト」に出てくるG3‐Xなのですが、性能はそれとは比べ物にならないくらい強化されています。各種武器やマシンも取り揃えてありますよ。まあそれでも、クゥエル様の本来のお力には遠く及びませんけど。」

クゥエル「素晴らしい...気に入ったぞ! これなら、俺が俺のままで戦えるというわけか!G3‐Xは俺も知っている。よおし、だったらこれはG3‐XX(ジースリー・ダブルエックス)と名づけよう! これで...これでるるを守れる...あいつの明日を守れるぜえええええっ!!!!!」

これでもう自分の中の悪魔を恐れずに済む。その喜びのあまり、思わずガッツポーズとともに本音を漏らすクゥエル。

Rynex「気に入っていただけて何よりです。これからよろしくお願いしますね、クゥエル様。」
G3‐XX「こちらこそ夜露死苦。ところで、正体がばれると何かと面倒なんで、すまんがクゥエルと呼ぶのはよしてもらえるか?」
Rynex「はい、そうおっしゃるのなら。では、G3様とお呼びしましょう。」
G3‐XX「ありがとよ。よっしゃあ!!! 今日から俺はG3‐XX!!!仮面ライダーG3‐XXじゃああああああっ!!!!!! フハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!」

その後、2人は天界から姿を消したそうな。

 

 

名前:トノサマガエルのクゥエル
身長:170センチ程度
体重:70キロ前後
年齢:外見20歳(実年齢7歳)
死因:解剖実験に使われる
トラウマ:るるを失う事、自分が自分でなくなる事
誕生日:3月7日

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