え〜、毎度ながら……。
私の稚拙な作品に貴重なお時間を割いて頂き、本当にありがとうございます。
P.E.T.S.[AS]第6話、いかがだったでしょうか。
今までのドタバタギャグなASから一転、今回の陰鬱な、謎と緊張に満ちた展開には、かなりの違和感を覚えた方も多いと思います。
元々第2話を執筆していた段階から、ASをハードな戦い物にする構想を考えていました。
といっても、考え無しに戦い物にしようとした訳ではなく、ASのストーリー背景の根底を形成している要素要素を動かし続けた結果、必然の展開として、どうしても戦い物にせざるを得なくなったのです。
今回の第6話の執筆では、個人的に幾つかの目標を立てたのですが、その一つが『これまでのドタバタな展開から、今後ずっと続くダーク&ハードな展開への移行をスムーズに進める事』でした。
ですがこれは非常に困難を極めまして……。実は本来、本格的なハード展開に移るまでに2話位クッションを置くつもりでした。
しかし私の超ノロノロ執筆ペースでは完結までに再来年までかかってしまいそうだという事、そしてそのクッションとなる2話分のお話が、とても内容の薄い物になってしまいそうだったので、思い切ってこの第6話に全て圧縮したのです。
だらだら長くしてスピード感を落とすより、息をつかせぬ新しい展開を次々と見せる方が私の好みですし。
結局、全16話ほどあったASは、現状で全11話程度にまで凝縮されました。
というわけでこの前編も、ゆるやかな移行より、アグレッシブな移行を狙ってみたのですが、果たして……上手くいったんでしょうか・・・。
そして二つ目の目標が、『キャラクターの心理描写や情景描写の改善』でした。こちらは……私としては現代編あたりから、ようやくコツが掴めてきたと実感できるようになったのですが、他の方の素晴らしい作品に触れる度、まだまだ詰めの甘さを痛感させられます。今まで不得意な分野だったので、これからもっともっと向上を目指して行きたいです。
あと、今回、現代編では美月達の住む街やよいさについての説明が多くなされていますが、やはり今まで説明不足だったという不安感があったので……。でも、普通こういうのは最初の頃にやるんですよね(苦笑) なんか、ちょっと不自然になってしまったかも……(汗)
さて、今回から、現代編は美月視点が終了し、ティコによる視点で描かれています。
これは既存の第5話までと今回の第6話以降では、まさにASの物語としての性質が全く違う事を意味しています。
ASは、美月とティコの物語なのです。なぜこの二人なのか……それは、第7話で明らかになります。
今回の具体的な内容について(言い訳)
>闇の存在達
今回、ようやくASにおける敵をちゃんと登場させる事ができました。彼らの正体や能力については、AS外伝「The THING beyond DEATH」や第7話でかなり明らかになるでしょう。何故3人組にしたかというと、いくつか理由があります。一つは「きよただ!!」や「OtogiWars」、「死の先(第3話)」などの敵役3人組と対比できたら面白いと考えたため。
あと他にも理由がありますが、まあ……それは後々分かるでしょう。
>謎の語り部
おそらく今までのストーリーから、ある程度は推測できると思います。ただ、第7話以降になるまで本当の意味では分からないかもしれませんが……。
過去編の真純宅のシーン(過去編にありますが、当然あのシーンの時間軸は現代です)、そして現代編は『彼』が語り部となっています。今後も現代編はずっとそうなります。
謎の二人の会話でもある通り、『彼』は特殊な能力を持っており、人に気付かれずにあらゆる時や場所に存在でき、世界の殆どの知識を熟知しているので、小説でいういわゆる『全知全能の神の視点』に近いです。ただし、単なる神様と違って、彼自身にも複雑な過去の経歴があり、また彼自身の目的があります。
そして『彼』は、物語中『守護天使ティコの存在を通して』という記述が見られるように、ティコの視点として物事を見る(ティコの思念を読み取る)事もできます。まあ、神の視点というよりは、全知全能なティコの背後霊と言った方がいいかもしれません。地の文でティコの想念が直接書かれているのはその為です。今後のASはティコが主役ですので、彼だけ特別扱いです。
その他のキャラが視点となるシーンでは、そのキャラの想念は()の中に書かれますが、今回はそれがなかったですね。
>真純の過去
おどろかれた方も多いと思います。 彼女とその父親も、ASの新展開に深く関わっています。特に過去編において、かなり重要なキーを握る存在です。
そして、真純の過去、それにまつわる思念も、ASのテーマのちょっとした一つです。
>守護天使としてのティコ
ロックとの違いが今回明らかになりましたが、今後両者の位置づけは、どんどん異なる物になっていきます。
ティコは一級守護天使ですが、一級守護天使は二級には無い、いくつかの知識と権限が与えられています。しっぽのユキさんなんか、いい例かもしれませんね。
それでもその差はさほど大きいものではありません。ですがティコの場合、特例としてさらに多くの知識と権限が与えられています。
と、今回は謎だらけ、なおかつ第7話に引っ張るだけのお話だったかもしれませんが(汗) 第7話では、いくつかの謎や伏線の正体を明らかにしたいと思っています。
執筆ペースが本当にちんたらな作品ではありますが、今後もどうか暖かい目で見守ってくださると嬉しいです。