ちゅん……ちゅん……。
ん……?
目を開けると、そこは私のアパートだった。目をこすりながら起きあがると、布団の感触がないことに気づく。どうやら寝てる間にお布団をけとばしていたらしい。
全く、こんな年にもなって、はずかしいね。
そうか、私、また夢みてたんだね。いや、怖いくらい正確に昔の思い出を再現している点で、夢とは少し違うのかも知れない。まるで、寝てる間に体から抜けた私の魂が、昔の思い出を追体験しているような感じなのだ。
そういえば、あの光の世界、前にも見たような気がする。そこから思い出が始まって……。
……
へんなの。まあいいや。それより……。
私は首に付けているペンダントをはずしてじっくりと眺めてみた。赤い下地に、不思議な文様が描かれている。朝の日光を反射して、綺麗な赤い光沢を放っていた。
えへへ、私のお気に入り、やっぱいいね。
「ご主人様、お目覚めになりましたか?」
ティコが私の部屋に入ってきた。
私「うん、おはよ。ティコ、いつも早起きだね」
「俺も!俺も!」
ロックが大きな声を出してティコに押しのけて入ってくる。
ティコ「全く、朝っぱらから騒々しいですね。大体あなた人を押しのけておいて……」
ロック「今日から仕事だよな。張り切っていこうぜ!」
私「え?」
ティコ「えっ?ってご主人様?」
ロック「いや、だから仕事……」
……
……はて?
あっ!
私「そうだ、今日先生に抗議するんだった!」
仕事と聞いて何かひっかかっていたのだ。そうそう、昨日の遊園地では先生のせいで全くもってひどい目に遭いましたからね。今のうちに頭の中で論理武装しとこう。
ティコ「はは、さ、もう朝ご飯はできてますよ。冷めないうちに」
私「ありがとう☆」