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第3話「麗しの巨匠」

帰路について、いつもの小川の側の小道を3人で歩く。
ただいつもと違うのは、ティコとロックが携帯をいじくりまわしていることだ。私のいない間に、二人は携帯の使い方をマスターしたらしい。

ロック「美月! すげぇよ! これ着信音変えられるんだぜ!」

ロックがボタンを押すと次々と着信メロディーが切り替わっていく。

ティコ「あ、この曲、今大人気のアニメソングじゃないですか」

ぴっぴろ〜♪ぴ〜ろりぴ〜ろぴっろっぴ〜♪

ロック「tensi no shippoだってさ」
ティコ「素晴らしい……」
私「へえ〜、凄いね。今の携帯って。でも多分私あんまり使わなそう……」
ロック「どうして?」
私「だって、電話をかけてくる相手といったら多分先生ばっかだろうし」
ティコ「それはきついでしょうね」
私「ま、今日は釘さしといたから大丈夫でしょ♪」

ぴっぴろ〜♪ぴ〜ろりぴ〜ろぴ〜ろっぴ〜♪
再び着メロが流れた。

ティコ「え?ロック、なんかボタン押しましたか?」
ロック「いや、これ本物のメール着信だ」

まさか……。

私「だ、誰から?」
ロック「藤原 真純」

やっぱりぃぃぃぃぃ!!!
そうかぁ……メールという手があったか。くそぉ……盲点だった……。

ティコ「『詰めが甘いわね、みっつきちゃ〜ん♪』だそうです」

ぴっぴろ〜♪ぴ〜ろりぴ〜ろぴ〜ろっぴ〜♪

ロック「あ、また……」

おい……。

ティコ「『これからは一日10通は送るのでちゃんと返信すること』」

ぴっぴろ〜♪ぴ〜ろりぴ〜ろぴ〜ろっぴ〜♪

ティコ「『返信しなかった場合は食事手当てを給料から……』」

一行ずつ送らないでひとつにまとめんかいっ!!!!
それに2番目の直訴の約束破ってるしっ!!!いや、1番目も結局破ってるよ……。

ティコ「そういえば、こういうのって受信するだけでも料金がかかるんでしたよね」

も……
もぉ………………

私「先生のばかぁ〜!!!」
 
結局、今日もまた先生……そして夢に、さんざん振り回された一日でした。


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