P.E.T.S[AS]

第2話「遊園地へ行こう!」

「ご主人様?」

ん……。
ぼやけた天井が見える。
どこだろう、ここは……。
また別の世界にでも迷い込んだんだろうか。
だんだん意識と視界がはっきりしていくと……。

「あ……」
「医務室ですよ。ここは」

……ティコの姿があった。

私「……」
ティコ「今ロックが何か冷たい飲み物を買ってきてますから。気分はどうですか?」

急に場面が切り替わってなんだか現実感がない…・まるで永い眠りから覚めたようだ。
でも「してしまったこと」ははっきり覚えている。
二人は大変だったろうな……。
なかなかティコの顔を見ることができなかった。

私「ごめんね。こんな歳になって……恥ずかしいよね」

主人の面目がつかない。でもティコは優しい微笑みを全く崩さなかった。

ティコ「お気になさらずに。私たちは守護天使、どんな時もご主人様をお守りします」

どんな時も……ね
思わず二人で苦笑した。
そこへ、ロックが走ってやってきた。手には三人分の缶ジュース。

ロック「うおぉぉぉい。買ってきたぞ~。あ、美月、気が付いた?」
私「うん。ごめんね。迷惑かけて」

人なつっこく笑って、ロックは缶ジュースを私に渡してくれた。

ロック「いや全然、悪いのは美月の危険を察知できなかった俺たちだって。俺が30%悪くて、こいつが70%」
ティコ「なんで私があなたよりパーセンテージが高いんですか」

軽く突っ込むティコ。ふたりのいつものやりとりだ。

私「もとはといえば、先生が悪いんだよ」

全ての元凶である。

ロック「明日、仕事だよな?」
私「うん。抗議してやる」

三人で大笑いした。
……

私「もう、時間ないかな」
ティコ「あと少しなら…・」
私「観覧車乗らない?」
ティコ「はい!」
ロック「おう!」

 

観覧車の中で見る夕焼けは最高に綺麗だった。


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