どこに行こうか全く決めていなかったが、とりあえず、遊園地にやってきたのだった。
先生の目覚ましが5時台に私を叩きおこしてくれたおかげで、途中の電車の席には全て座れたことを付け加えておく。
睡眠をロクに取っていないと、気分がとてもハイになる。アシスタントという職種はこの現象をよく経験しているものだ。
特に……私はその傾向が強いらしかった。
私「ねえねえ、まずはジェットコースターにしよ!」
ロック「……美月、ほんとに大丈夫かよ?」
私「止まってらんないのよぉ、私!過去は振り返らない!常に前に進み続けるの☆」
ティコ「ご主人様、せめて最初は軽い物からにしましょう」
私「うん?」
ティコ「あ、いえ、なんでもありません」
……
私「なかなか良かったねぇ☆」
ロック「(小声で)おい、ティコ。美月ってこういうの得意だっけか?」
ティコ「(小声)いえ、そんなことは全然……」
私「ね、今度はアレにしよう!」
といって私は高い鉄の塔を指さした。
ロック「あれって確か、マシンに乗って高いところに上ってから、一瞬で落ちるヤツ……」
ティコ「そうだ!ご主人様、のど乾きませんか?あそこで少し休憩しましょう」
私「うん?」
ティコ「いえ、なんでも……」
……
私「ん~、なんかあっという間に終わっちゃったなあ。つまんない」
ティコ「ご主人様……あの……」
私「うん?」
ティコ「あ……」
私「ああ~そうだ~、ちょっと休憩したいな~」
ティコ「そうですね!休憩しましょう!ロック、なにやってるんです。行きますよ!」
ロック「お、おう」
……
ティコ「いや、ご主人様…・そんなにおなかいっぱい食べると…」
私「だいじょうぶ~お金のことなら♪全部安くつくものばっかだし!」
ロック「美月、よく食べるよなぁ。俺と良い勝負!」
ティコ「(小声)ロック!のんきに食べてないで、どうにかしなさい!」
ロック「(小声)だってよ、やっぱ大丈夫みたいだぜ。たくさん食べるってことは、元気な証拠だって!」
ティコ「(小声)いつものご主人様じゃないでしょう!」
私「うん?」
……
私「さあてと、じゃあ次は何に乗ろうか!」
ティコ「私は少し疲れてきました」
ロック「なさけねーの」
ティコ「あなたの心の平和がうらやましいですよ」
私「今度は、あれ☆」
ティコ「……」
ロック「行こうぜ」