ついに時は満ちた。
我々、神の精鋭シザーズが、権力を極限にまで増大させる時が来たのだ。
守護天使界も、やがて我々の手に落ちる日は近い。
だが、不安要素がいくつか残っている。特務機関フェンリル、ラエル、そして……シャム猫のティコ。
フェンリルの組織力、司令ロイの実力は確かにやっかいだ。だが、それでも所詮は守護天使。愚劣極まりない、元家畜どもの集まりだ。我々、神の精鋭の足下にも及ばんだろう。奴らの精鋭をもってしても、たかが魔界に棲む呪詛悪魔ごときに苦戦する程度なのだからな。
フェルジーン存在を我らが物にできれば、奴らの存在など取るに足らなくなる。
しかし『プロジェクトQ』、まさかあの者どもも同じ事を考えていたとは…。
だが、野蛮な呪詛悪魔どもにできることなどたかが知れている。
そして、ラエルに、シャム猫のティコ……。
ラエルは今、フェルジーン存在としての力の大半を失っている。侮れない障害だが、恐れることはない。
シャム猫のティコはすでに我らの支配下にあるのだ。アレの命運を私が握っている限り……逆らえまい。
仮に、我らを裏切った所で……クク……。
さあ、祝杯の準備をしよう。
「プロジェクトQ」の完成の日は近い。
あの恐るべきフェルジーンの力を使い、真の理想の世界を手に入れるのだ。
フフフフ……ハァッハッハッハッハッハッ……。
- Fin -