さて、ところ変わって夕暮れ時の公園。
妃皇子がきよと元樹を連れて遊びに来ている。
妃皇子はベンチに座り、離れた位置から二人を見守っている。
きよと元樹は砂場で砂遊びに熱中していた。
元樹「うわぁ・・きよちゃんおっきな山だなぁ・・」
きよ「ヘッヘェ〜〜ン、ま、うちにかかればこんなんチョロイチョロイ・・」
誇らしげな顔をするきよ。
そんな時、元樹が急に変なことを言い始めた。
元樹「そういえばさ・・
千田お兄ちゃんと恵お姉ちゃんて付き合ってるのかな?」
きよ「さぁ・・どうなんやろ?
お兄ちゃん、ウジウジして何も言わんからなぁ。」
元樹「それってやっぱりきよちゃんのせいかなぁ・・・」
きよ「え・・・うちのせい?」
シャベルを持つ手が止まったきよ。
気にせず元樹は話しつづける。
元樹「きよちゃんがいるから、
お兄ちゃんなかなか本当のことが言えないんじゃないかなぁ。
本当は恵お姉ちゃんと二人だけのほうが楽しいんじゃないかなぁ。」
きよ「そんなこと・・・・あら・・へんよ・・・」
急に元気がなくなるきよ。
ちょうどその時千田と恵が公園を通りかかった。
千田「あ、きよちゃぁ〜〜ん!!」
振り返るきよ。
きよ「お兄・・・・ちゃん・・・・」
千田と恵が仲良く腕を組んでいるのを目の当たりにするきよ。
千田「迎えにきたよ。さ、一緒に帰ろ。」
手をさしだす千田。
きよ「・・・うん。」
ゆっくり手を伸ばすきよ。
恵「?きよちゃん、どうかしたの?なんだか元気ないわよ。」
きよ「え?・・・・ううん!!なんでもないって。うちはいっつも元気やで☆」
恵「そ、ならいいんだけど・・」
千田「妃皇子さん、今日は一日ありがとうございました。」
妃皇子「今日のかりは明日、ちゃんと返してもらいますからね。」
千田「え・・・アハハハ、はい、頑張ります!それじゃまた明日。」
恵「元樹君、バイバァ〜〜イ。」
きよ「バイバァ〜〜イ・・」
元樹「また遊ぼうね、きよちゃん。」
3人の姿が見えなくなるまで手を振りつづける元樹。
妃皇子「・・・・・さっき、守護天使になんて言ったの?」
元樹「・・・別に・・・」
次の瞬間、二人の背後に金剛が現れた。
金剛はきよの作った砂の山を無情にも踏みつけている。
元樹「金剛・・・・準備はいいな・・・・」
金剛「いつでも大丈夫だぜ、兄者・・・」
元樹「じゃ、そろそろ打とうか・・・終止符を・・・」
3人の影が公園を包むかのように伸びている。
木枯らしが吹き、季節は秋から冬へと移り変わろうとしていた・・
つづく