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話が始まっていきなりだが、闇である。
いや、別に作者が手を抜いているのではない。
あたり一面闇に覆われている。
その中にうごめく人影が一つ。いや迷っているといったほうがいいだろう。
自分が今どこにいるのか、どこに行こうとしているのか・・・
まったく解らずもがいている。
そんな中、目の前に一筋の光が差す。
行き場を探していたその影は、光に向かって進もうとした。
しかし何かが足かせとなって前に進めない。
そのうちに光がドンドン遠のいていく。
叫びたいが声も出ない。
必死にその影は光に向かって腕を伸ばした・・・・・
ここは雑貨屋「Evil Cat」の二階。
妃皇子と元樹が住居としている場所である。
その中の妃皇子の部屋。
窓際のベットの上に横たわっている妃皇子は
天井に向かって腕を伸ばしている。
妃皇子「・・・・夢・・・・」
体中に嫌な汗をかいている。
体を起こし時計を見る。午前3時を回っていた。
髪をかきあげる妃皇子。その姿は妙になまめかしい。
妃皇子「またあの夢・・・」
今夜はもう眠れそうにない。
水を飲もうと妃皇子はキッチンへ向かった。